ホンモノとニセモノを見分ける方法(上)~日本の金融事情と海外の投資商品~ 俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.27

ホンモノとニセモノを見分ける方法(上)~日本の金融事情と海外の投資商品~

こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

人が「お金が欲しい」と思うのは、「お金は簡単には増えない」という事実があるからです。たとえば、現在の普通預金の利子はだいたい0.001%ですから、銀行に100万円を預けても年間10円しかつきません。

このような時に、もし、保険のセールスマンから「積立式の保険に40年間預けていただければ、110%に増えますよ」といわれたら、おそらく多くの人が「110%になるの?だったら貯金をしているよりいいんじゃない?」と思うのではないでしょうか。

銀行の利子と比べれば、確かに保険の110%は魅力的に映るでしょう。しかしそのサービスに申し込んだ場合、実は預けるお金の半分が、保険会社によって手数料として差し引かれていると聞いたら、あなたはどう思いますか?

もし仮に1万円を預けた場合、5000円を手数料として保険会社に抜き取られ、残りが5000円しかなくなったとしても、それを普通に運用していれば、お金は40年後には、最初に預けた金額の110%になります。40年という時間があれば、たった1.8%強の利回りだけで半分の金額でも110%になるのです。

たとえば世界と比べてみても、日本の保険は利回りが極端に低くなっています。世界標準でいえば、保険の利回りは年3~4%つくのが普通です。けれど、日本の保険の利率はどこもほぼ1%以下です(表面利回りにあたる予定利率は1%以上ございます)。

なぜ、日本の保険会社は、大きく手数料を取ることがまかり通っているのでしょうか?理由のひとつとして、手数料が開示されていないという点が挙げられます。海外の保険会社だと「手数料を開示している」のが一般的です。

最近、日本の金融庁もようやく重い腰を上げ、金融業界を「透明化」しようと動き出しています。なぜなら、それが「世界のスタンダード」だからです。

今回は一例として保険業界を取り上げましたが、かつてはどの業界も、似たり寄ったりの状態でした。

金融業界の変化は今、ようやく始まったばかりなのです。



【Vol.27『ホンモノとニセモノを見分ける方法(上)』目次】

〔1〕イントロ:

 公平中立な立場から商売をするのは不可能なのか?

〔2〕本文:

 ホンモノとニセモノを見分ける方法(上)

 ~日本の金融事情と海外の投資商品~

1、「世界は、いい投資商品であふれている」

 ◎分断されている日本の金融業界

2、金融で「ワンストップサービス」を実現する

 ◎相次ぐ業務提携の失敗

 ◎なぜ、会社は合併してもお互いのよさを引き出せないのか?

3、どうしたら顧客に最高のサービスを提供できるのか?

 ◎金融業界に存在している「ジレンマ」

 ◎最高のものを提供するために必要なもの

4、時間と人脈を最大限に活用する方法

 ◎目の前の人を今すぐ顧客にするには?

 ◎失敗は「しない」より「繰り返さない」ことが大切

5、ニセモノをつかまないためには

 ◎「知っているかいないか」で、選ぶ選択肢が変わる

 ◎投資で見るべきなのは「期待値」じゃない

6、お金が増えない限り「投資」とは呼べない

 ◎リスクに対するリターンの考え方

 ◎投資とは人生を豊かにするもの

7、「これしかない」という状況から抜け出すには

★本日のワンポイントアドバイス☆★

 ◎投資で痛手を負わないための5項目

〔3〕次回予告(予定):

 ホンモノとニセモノを見分ける方法(下)

 ~日本の金融事情と海外の投資商品~

〔4〕セミナーのご紹介:

 赤字が出ても「得をする」という不思議な現象

〔5〕今週のQ&Aコーナー:

《お得情報!》有料会員にならずに日経が読み放題?!

〔6〕今週の気になるトピックス:

1、仮想通貨の普及促進に向け、新たなサービスが登場

2、フィリピンで日経大手が中流層向けの住宅供給を開始

〔7〕編集後記:

 今の仕事に飽き足らず、より良いサービスを提供したい「あなた」へ



◆〔1〕イントロ:

公平中立な立場から商売をするのは不可能なのか?

2015年の日本人の平均寿命は83.92歳。データによれば、日本人の寿命は毎年0.2~0.3歳程度の延びを示しているといいます。

急速に「人生90年」時代が近づきつつある中で、考えるべきなのはやはり「お金」です。僕らは、延びる寿命に対して、今から備えておかなくてはなりません。

自身の充実した人生を実現するためには、総合的な資産計画を立て、それを実現に結びつけることが必要となっています。経済的な側面から「自己実現」に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。

ファイナンシャル・プランニングとひと口にいっても、実際は家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度等々、幅広い知識が必要となります。これらの知識を備え、相談者の目標が叶うように一緒に考え、サポートするのがファイナンシャル・プランナー(以下FP)です。

2016年7月現在、全国のFP資格認定者は17万5160人となっていますが、そのうち、独立系は全体の7%を占めているに過ぎません。ほとんどのFPは銀行、証券会社、保険会社などの金融機関に所属しており、独立系と謳って事務所を構えている人であっても、実際はバックに保険会社などが付いていることがほとんどです。

それが何を意味するのかというと、「FPは必ずしも、客観的な立場から相談者の利益に叶った商品を選んでいるとは限らない」ということです。FPの多くは、稼げるビジネスモデルを確立できていないため、どこかの会社に依存しているのが実情です。

最近は、どこの会社にも所属していないという触れ込みの保険代理店も流行っています。数十社の商品を扱っていて、「相談者の状況に応じて最適の商品を選択してくれる」というので人気を博していますが、実際は、リアル店舗だろうとネット販売だろうと、販売者にとってより多くのマージンを払ってくれる会社が優先されている事実には変わりがないのです。



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