ここ一番の集中力をつけるには 『熱血!中村修二ゼミナール』夢のみつけ方(第24回)





夢をかなえる力(その3)

ここ一番の集中力をつけるには

夢をかなえる本当の力の3つ目は、前回言いかけていた集中力です。

夢の種は、遺伝子に組み込まれた天賦の資質です。それが地に播かれると、殻を破って芽と根を出します。根から吸収した水やN、P、Kなどの無機物と、葉から吸収した二酸化炭素を光のエネルギーを使って有機物を合成し、成長して行きます。

そして年に1回、花を開かせる時が来ます。人間も憧れの芽を出し、様々な環境を経て成長を遂げ、才能を開花させる時を迎えます。まさに人生の星の時間。その時、要求されるのが集中力です。

集中力をつけるにはどうしたらいいか、という質問をよく受けます。絶頂期であり、長年に渡って積み上げて来たものが花開くかどうかの岐路に立つ瞬間です。ここ一番の集中力を発揮できるか、プレッシャーに潰されてメタメタに終わってしまうか、重大なことは分かります。

でも、私の経験では、毎日毎日いろんなことを考え、精神力を鍛えて、分厚いストックを持ってはじめて戦えるのだと思います。特に私は瞬間芸をやれるほど器用ではないので、長い時間をかけてだんだん集中力を高めて行くタイプです。

人間にはバイオリズムがあります。それは、日周の他、週や月単位のバイオリズムもあります。受けた大学の合否状況を検証すると、バイオリズムの上向きの時に受けた大学は受かり、下がった時に受けた大学は落ちたというデータもあるそうです。

だから、みなさんが第一志望校の入試の日に集中力を高めたいと思うなら、半年くらい前から体調を調えたり精神的に入試が始まる時刻を意識して、自分のバイオリズムの絶頂に合わせることです。オリンピックで金メダルを取るような一流のアスリートはそれができる人たちです。

私のような研究者にとっては、1つの発明発見をするのに短くても3年、長ければ5年、10年という長期戦になります。だから、健康管理や家族との人間関係も非常に重要な要素になります。気力が下がって行ったのでは成果は望めません。坐禅の修行のように徐々に気が高まって行かなければならないのです。

そのためには、生活のリズムを守ることが必要です。睡眠、起床、食事などの時間を一定にして日周のサイクルを作ります。ルーティンワークで型を決め、不安心理や余計なことに神経を使わないようにします。私は、午前中は装置の改造をして、午後は実験とデータ解析、夜はつらつら改善のアイデアを練って、次の日の朝に着手という型を毎日繰り返しました。

私が青色LEDの開発に着手した時は、すでに随分水をあけられていましたが、それを一気に追いつき、20世紀中は無理と言われていたのに1993年に実用レベルまで輝度と寿命を高められたのは、自分独りで考え、自分の手で装置の改良ができたからです。他の研究グループはチームを組んで分担したり、装置の改善は外部に発注するため空白期間ができペースが上がらないのです。

みなさんも苦手科目を克服したかったら、好きな科目の後で嫌々ながら少しずつやっていても永久に追いつかないばかりかますます水をあけられるばかりですよ。捨てたくないのならば、3か月くらい期間を限定して、分からなくなったところまで遡って、その間は集中して一気に駆け上がるべきです。

「ひらめき」の正体

さて、そういうルーティンワークをブレることなく坦々とこなして行くと、壁にぶち当たります。それを突破するにはひらめきが必要です。そういうブレークスルーがいつ、どんな時に、どういう形で現れるかについて、当時書いた文章を引用します。

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