BFR(Blood Flow Restriction)トレーニングの作用機序 Part 3

※この記事は、『バーサーカーコラム』2014年10月1日からの抜粋です。

http://www.berserker.jp/column/show/101

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BFR(Blood Flow Restriction)トレーニングを効果的に行うために

BFRTでは軽い重量でも十分な効果があるとされている。しかし国内で行われた研究では、40%1RMで行った場合、30%1RMで行った場合や高重量で行った場合よりも、PCrおよび筋細胞内pHの変化が大きかったとされる。また150mmHgと200mmHgとでは優位な差がなかったようだ。

INVESTIGATION INTO THE EFFECTIVE CONDITIONS OF RESISTANCE TRAINING WITH BLOOD FLOW RESTRICTION FOR THE GAINOF MUSCLE STRENGTH - EXAMINATION OF SKELETALMUSCLE ENERGY METABOLISM –

http://www.my-zaidan.or.jp/download/kenko-r/pdf/kenko-25/R25-46-51.pdf



実際に多くの研究では、1セットあたりに15~30repsが用いられている。一般的な筋力曲線としては、50%1RMで30reps程度であるから、血流を制限した場合は40%1RMで20~30repsが限界であろう。

15repsを4セットのプロトコルで十分な効果が得られていることや、1セットにおける虚血時間を短くしたほうが安全だということもあり、「40%1RMで15~20repsを4セット」をお勧めしたい。

またエクササイズとしては、次の研究にある通り、ポジティブを重視したほうが良いようだ。

Effects of blood flow restricted low-intensity concentric or eccentric training on muscle size and strength.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3534116/



ネガティブをあまり重視しなくて良いとなると、下ろすときはやや早めで良い。勢いを付けない程度の速度でポジティブ、そして早めに下ろす。すると1repにかかる時間は2~3秒であり、15~20repsだと30~60秒。これくらいの時間ならば、虚血による問題も少なくなるだろう。

BFRTでは筋への物理的なダメージが少ない。よって高頻度でのトレーニングが可能である。国内での研究では一日2回、2週間連続でBFRTを行ったところ、普通のトレーニング2~3か月分の効果をもたらしたという結果が出ている。ここではスクワットとレッグカールをマックスの20%の重量で15回・3セット、30秒のインターバルで行わせている。

Part 2で書いたように脚へのBFRTはあまりお勧めしないが、腕のバルクアップに悩んでいるトレーニーは、普通の高重量トレーニングに加え、「腕以外のトレーニング日の最後に、腕のBFRTを行う」ことが一つの解決法となるかもしれない。