【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】房州華の蔵

房州華の蔵@千歳にて、らーめんしお。

約2年前に足を運んで以来の再来訪。

諸事情によりしばらくの間休止していた平日営業が、今般、再開された。南房総の雄として君臨する同店の健在は、千葉ラーメンシーン全体の活性化に直結するものだ。

ご存知の方も少なくないと思うが、同店は大海を臨む風光明媚な場所に佇む。

一軒家を丸ごと活用した店の造り。玄関で靴を脱ぎ、雰囲気のある小上がりでラーメンをいただくスタイル。

まるで旧知の友人の家に上がり込んだかのような、リラックスできる空間。

そんな空間で啜るラーメンの味が、良い意味で、都心部の手狭な店舗でいただく1杯と印象を異にすることは、否定できないところだろう。

今回もまた、前回に引き続き、基本メニューである「らーめんしお」をオーダー。

まずは結論から。これは美味い!美味すぎる!!

率直に申し上げて、前回訪問時を遥かに凌ぐ印象の良さに、ひと口めから驚愕。

魚介と塩ダレのうま味が口の中で螺旋状と化し、矢の如く鋭く伸びるスープ。

これは、魚介に由来するうま味と塩ダレに由来するうま味とが、寸分の齟齬もなくピタリと融合し、互いに補完し合うことによって生まれるものだが、現存するラーメン店で、ここまで両者のうま味を正しく重ね合わせた1杯を提供できる店は、どれほど存在するだろうか。

繊細な姿形がかえって鮮烈な印象を刻み込む細麺の佇まいも俊逸。

ひと口ひと口、味覚をフル稼働させながらじっくりと味わいたい珠玉の名品。

房総半島を訪れる際には、万難を排してでも足を運びたい、房総の至宝だ。