イスラエルでの米大使館移転・伊方原発の運転差し止め・JR東日本株等

■イスラエルでの米大使館移転・伊方原発の運転差し止め・JR東日本株等

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●テルアビブからエルサレムへの大使館移転を決断したトランプ大統領

トランプ大統領は12月6日、「エルサレムをイスラエルの首都として公式に認める」とともに、「テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転させるように国務省に指示した」と発表しました。これには「アメリカは今後ともイスラエルとパレスチナの双方が受け入れ可能な和平合意成立を手助けする」「イスラエル・パレスチナ双方の同意があれば2国家共存を支持する」「エルサレムの地位は当事者間で解決すべきであり、アメリカは特定の立場を取らない」という前提も置いています。

反応はというと、イスラエルのネタニヤフ首相が「歴史的な決断に感謝する」と述べて歓迎したのに対し、パレスチナ自治政府はもとよりサウジアラビア、エジプト、ヨルダン、イラン、シリアなどのアラブ・イスラム諸国は一斉に反発し、パレスチナでは民衆による抗議デモも発生しました。さらにイギリスやフランスの首脳などからも批判の声が出たのでした。

アメリカの大使館移転はエルサレムをイスラエルの首都として認める具体的で象徴的な行動であり、同時にアメリカの親イスラエルの立場も鮮明するものです。しかしエルサレムにはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が集まっており、これまでイスラエルとパレスチナはエルサレムをめぐって争いを繰り返してきました。国連は1947年のパレスチナ分割決議でエルサレムを国際管理下に置くことにしたのですが、イスラエルは1948年の第1次中東戦争で西エルサレムを獲得し、1967年の第3次中東戦争では旧市街を含む東エルサレムも占領したのです。

以来、イスラエルはエルサレムを「恒久的首都」と宣言してここに政府機能を置いています。パレスチナのほうも東エルサレムを将来の独立時の首都と位置付けて活動してきました。国際社会はエルサレムをイスラエルの首都とは認めていませんので、日本も含めて各国とも大使館を置いているのはテルアビブです。にもかかわらず今回、アメリカだけがエルサレムをイスラエルの首都と認めて大使館を移すと発表したため、国際的な騒ぎとなったのでした。

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