マイフェイバリットディスク 2012年

1)[BD]謎の円盤UFO ブルーレイ・コレクターズBOX

2)[DVD]007 TV放送吹替初収録特別版DVD-BOX

3)[BD]電人ザボーガー スペシャルエディション

4)[BD]Mad Monster Party(海外盤)

5)[BD]時をかける少女

6)[CD]菊池俊輔 作曲50周年 CD-BOX

7)[CD]小川寛興 TV・映画作品集

8)[CD]お荷物小荷物 音楽編

9)[BD]総天然色ウルトラQ BD BOX II

10)[DVD]フミコの告白+メイキングブック(DVD付)

 ロンドン出張で市中のデザイン感覚に感動した直後に届いた『謎の円盤UFO』は、実に味わい深く鑑賞できた。配色やミニチュアの細部が鮮烈に伝わる再現度が嬉しい。往時のTV放送を再現した『007』ともども日本語版重視の姿勢も好感がもてる。日本スタッフが60年代に制作した人形アニメ『Mad Monster Party』のBD化、『ウルトラQ』のカラーライズ、大林宣彦監督版『時をかける少女』など角川青春映画のBD化、『電人ザボーガー』のリメイクなど、いずれも原点のエネルギーを再確認という共通項がある。その方向性ではCDにも注目作が多く、特に映像が現存しない『お荷物小荷物』のCD化は意義深い。小川寛興・菊池俊輔とTVの世界を支えた大家のコンピレーション含め、歴史そのものを刻みこんだ感がある。一方で若手クリエイターの意欲的な短編『フミコの告白』は、書籍との融合でソフト化。パッケージ化にはまだまだ担うべき役割が大きいという実感が得られた年だった。

【2012年12月11日脱稿】初出:「月刊HiVi(ハイヴィ)」2013年2月号(1月17日発売)(ステレオサウンド刊)