[ビジネス発想源 Select] 第1351回:大きな問題は高い位置から

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【第1351回】 大きな問題は高い位置から (2008年7月18日配信)

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「孔子、東山に登りて魯を小とし、太山に登りて天下を小とす」

という言葉があります。

孔子というのは、古代中国の有名な思想家ですよね。

その孔子が、東山という山に登って魯の国を眺めながら、「魯とは小さいものだな」と思い、今度は東山よりも高い太山という山に登って、「天下とは小さいものだな」と思いましたよ。という意味の言葉です。

つまり、自分が「大きい」「すごい」と思っているものも、ちょっと高みに登って眺めてみたら、意外に小さいことが分かるということです。



これは、どんな問題にも当てはまります。

仮に、自分が「大変だ」「どうしようもない」と思っている障害に直面したとします。その障害だけを見つめているならば、ますます大きくて大変な障害に見えるばかりです。

しかし、それをものすごく高い視点から俯瞰してみると、「意外に大したことがない障害」に見えるものです。

でも人間はそんなに簡単に高いところまでジャンプできないし、そう簡単に物事を俯瞰的に見ることはできません。

そんな時にはどうすればいいかというと、自分なりに工夫しなければいけませんよね。



その工夫の一つが、「もともと高い位置にいる人間に聞いてみる」ことです。

高い位置といってもいろいろありますが、自分よりも地位が高い人、能力のある人、年齢を重ねた人、年収の高い人、何でもいいでしょう。高い位置の人に、その「障害の大きさ」について説明するのです。

そうすると大抵は、「そんなに大した大きさの障害ではないだろ、それ」という結論になります。

高い位置にいる人たちには、低い位置の人間が大きいと感じているような障害は、とても小さく映っているものなのです。「それほど大きい障害じゃないよ」と言われるでしょう。

そんな時に、「そうか、そんなに大きな障害ではないんだな」とその答えを素直に受け入れる人間と、「そんなの人それぞれで、俺にとっては大きな障害なんだ」などと自分を正当化する人間とでは、その障害に対する積極性が大きく異なってきます。

当たり前ですよね。

「大きくはない」と思える人と「絶対大きい」と思う人とでは、明らかにその差ははっきりと現れます。



大きな問題に当たった時は、「高い位置にいる人間だったらどう思うか」ということを考えてみましょう。

分からなければ、実際に高い位置にいる人間に聞いてみることです。

その問題に対するイメージが変わってくることでしょう。



【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)-----------------

・10年前に「当時ものすごく大変だった」という困難や問題を思いつく限り列挙し、ノートに書いてみる。

・10年前の自分へのアドバイスを併記する。



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