最終回・・・明るい憲法改正 武田邦彦集中講座『憲法を深く考える(4)』



Shutterstock/Ink Drop



◆まずは誤解を生みやすい現在の日本の憲法を修正すべきである

憲法を改正するのは日本の明るい未来を作るためですが、どうも「暗い憲法改正」のイメージがつきまといます。最初から「怒鳴り合い」、「非難し合い」から始まって、議論も暗く、最後は大もめにもめて決まるという感じです。

でも「明るい憲法改正」が無いわけではありません。その一例をここに示したいと思います。まず、前向きに、日本は素晴らしかった!という前提で、次のことをまず合意します。内容的に気楽で、日本を悪く言ったり、これまでの日本を反省したりしなくても良いのでリラックスして合意できると思います。

1)現在の憲法の下で日本は平和で繁栄してきた。

2)国民の多くは、国連加盟、自衛隊、自由主義(西側陣営)を支持している。

3)自衛隊は人類始まって依頼の「戦争をしない軍隊」(注1)である。それは素晴らしいことだ!

4)憲法のその他のこと、たとえば天皇の地位、人権、国会などで憲法改正の意味は少ない。

(注1)前回の整理で、自衛隊は「国境を越えて交戦できない軍隊」なので、世界中が自衛隊になったら、どの国の軍隊も国境を越えないので戦争にならないという軍隊。自衛隊は軍隊で武力を持ち、交戦権もあるが、新しい概念なので憲法9条と矛盾しない。)

つまり、現在の憲法のもとで日本は世界にも希なぐらい発展してきましたし、所得も寿命もほぼ世界一、犯罪率も低く素晴らしい社会を作ってきました。そして今の憲法のもとで「集団的自衛権が基本である国連に加盟し」、「60年にわたって自衛隊を持ち」、「アメリカやインドなどの自由主義国家と親しい」ということで、ほとんどの国民は満足しています。

だから、現在、議論が進んでいる「憲法改正」は、オッチョコチョイがザッと憲法を読むと誤解するので、わかりやすく修正するということをすれば良く、憲法の内容を改正する必要は無いのです。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました