ダサいところにチャンスあり?~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」

相対的に優秀になればいい

「さほど優秀ではない自分が突き抜けるにはどうすればいい?」という質問をいただきました。

これも昔書いたことがあるような記憶があるのですが、改めて考察したいと思います。

本当に優秀な人は、どこに行っても放っておいても優秀です。

しかし、平凡な自分、何の特技もない自分が会社で認められ、権限や収入を手に入れるにはどうすればいいでしょうか?

そこで提案したいのが次の3つ。

1、ダサい会社やサい部署など、注目度が低く、近年イノベーションが起きていない業界・組織で働く

2、新会社や新規事業部など、未完成で発展途上の組織で働く

3、誰もやりたがらない仕事を積極的に引き受ける

■ダサいところに優秀な人材は少ない

ダサい会社やダサい部署など、人気のない仕事には、優秀な人材は集まりません。優秀な人の多くは、有名な企業や大企業、花形部署へ行きますから、競争は熾烈です。

そんな環境で厳しい出世競争に身をすり減らしても、組織の中で埋もれてしまい、昇進はおろか、昇給すら遅れをとってしまうかもしれません。

そこで、あえて人気のない中小企業や、古臭いビジネスを手がけている企業、同じ会社内でも人気のない部署を目指すのです。

一般的にこれらの会社や部署に優秀な人材は少ないですから、自分の能力がそれほど高くなくても、トップクラスの人材、エース社員になれる可能性が高くなります。

すると若くして課長や部長といった管理職に抜擢され、新規事業の責任者や子会社の社長など、人気の職場ではとても経験できないことを、20代や30代で任されるチャンスが増えます。

ITベンチャーなどでも20代で役員や子会社社長というのはよくある話で、雇用が不安定なうえ安い給料に長時間労働という反面、お金では買えない貴重な「経験」を得ることができます。

私の友人にも、大企業を辞め、中小企業に転職して成功したた人がいます。

前職では優秀な人材がごろごろいたので、特に目立っていたわけではなかったそうですが、転職後はめきめき頭角を現し、1年後に部長、2年後に子会社の社長になり、30代半ばで年収3500万円、社用車で通勤という身分です。

彼曰く、「僕は別に特別な能力があるわけじゃない。今の会社は人材に恵まれておらず、たまたま僕が相対的に優秀な社員になってしまっただけなんだ。」とか。

もちろん、本当に能力がなければ、彼ほどにはなれないでしょうし、そもそもやる気がなければ抜擢のチャンスが来るはずもありません。

しかしこの選択が彼の人生を変えたのは間違いないでしょう。

そして実は私自身、コンビニに転職したときも、業界大手ではなく、後発の規模の小さいミニストップを選びました。

家庭的な雰囲気に惹かれたこともありますが、発展途上の企業だったからです。

当時、前職の会計事務所をクビ同然で辞めていて自信を失っていたこともあり、セブンイレブンの中途採用説明会にも参加したとき軍隊的な雰囲気を感じ、「ここではやっていけないかも」と思い、応募はやめました。

いずれにせよ、そのおかげでいろんなチャンスに恵まれたのだと思っています。

ちなみにもう15年以上も前のことなので時効だと思いますが、外資コンサルを受けたときのこと。

このときは自信を取り戻していたこともあり、もっと自分を試したいと、マッキンゼーやBCG(ボストンコンサルティンググループ)も受けたのですが、書類審査で落ちました。

仲介してくれたエージェント曰く、「流通業出身ではあまり優秀な人材ではないと思われたのではないか」だそう。

結局受かったのは、プライスウォーターハウスクーパース、アビームコンサルティング(当時は違う名前だったと思います)、アーサー・D・リトル、あと1社、忘れましたがIT系のコンサル。

しかしやはり難易度・キャリア形成ともに戦略系が良かろうと、最終的にはアーサー・D・リトルに決定。(実際、マジしんどかったです。あまり人にはお勧めできない業界です。。)

そういえば在職中も、時々ヘッドハンターから接触があったのですが、「前職が流通業というのは本当か」と前職に確認したとか言っていました。

それほど優秀な人材がいないと思われている業種業界だったのですね。。。

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