今回のテーマは〈グラビア印刷の黄金時代〉。
印刷方式にスポットを当て写真集を読み解いていきました。
グラビア印刷は1950年から1960年に全盛期を迎えた印刷方法。
さわると指が黒くなりそうなほどのインクの濃さが特徴です。
指でふれ、ルーペでのぞきながら写真集を読むのも味わい深いですね。
グラビア印刷によって生まれた土門拳の『ヒロシマ』濱谷浩『雪国』『裏日本』、入江泰吉『大和路』といった名作をみていきました。
『ヒロシマ』の原爆投下の爪痕。
『雪国』の白い雪に墨を落としたような黒。
『大和路』では奈良の自然や仏像が持つ凛とした空気。
同じ印刷方法でも写真家によって黒の色はそれぞれ。
技術を要するグラビア印刷は今ではあまり使われることがないのだとか。
まさに、50、60年代は黄金時代だったと言えるでしょう。
飯沢さんのお話を聞きながらじっくりと写真集を読んでいるとあっという間に1時間半の講座が終わってしまいます。
講座後のめぐたまランチも毎月の楽しみのひとつです。
(2014年6月22日開催・写真/文 館野 帆乃花)
「飯沢耕太郎と写真集を読む」はほぼ毎月写真集食堂めぐたまで開催されています。
2017年1月開催分からは解説のたっぷり入ったロングバージョンをお届けします。
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