生命に必要な二酸化炭素をなぜ減らす? 武田邦彦のメルマガ集中講座『科学と命(2)イネ』

◆地球上の全生物が餓死!?二酸化炭素濃度の低下が引き起こす「生存の危機」

地球は複雑だから、生物起源の石油だけではないが、ほぼ大部分が生物資源なので、まとめて「化石資源」という。「化石」というのは「生物の死骸からできた」という意味である。

土に潜った生物が戻ってこないということは、大気中の二酸化炭素が少しずつ生物の体に移り、それが地下に潜るということだ。だから、徐々に大気中の二酸化炭素は減少してきた。地球ができたときには95%もあった二酸化炭素は海に溶け、酸化カルシウムと反応し、さらに生物の体になって地中に沈んでいった。そして人間が誕生した時には0.1%以下に減ってしまったのである。

今やイネの食糧である二酸化炭素濃度は0.04%なので、生きるのですら青息吐息である。それよりイネやヒトを含めた全生物が「生存の危機」にある。あとわずかで二酸化炭素がなくなり、地上の生物はすべて餓死するからだ。

◆生命に必要な二酸化炭素をなぜ減らすのか?

そんな危機的状態なのに、なぜ、多くの人は「温暖化を防げ、二酸化炭素を減らせ」と言っているのだろうか?



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