【MBの"超"思考】世の中ほとんどの業務は無駄。目的意識を持たなければ仕事は形骸化する。

▼▼▼本日のメニュー▼▼▼

1.MBの仕事術「その行動は他人のためか自分のためか」

2.MBの推薦書「島田順子スタイル パリ、大人エレガンス」

3.Q&A

 Q1.「MBさんの知見はどこからくるものなのか??」

 Q2.「強いコンテンツを持っていない場合はどうするか??」

 Q3.「出版業界のMBになるために・・・」



ついにmine連載も1万文字超えが当たり前となってしまいました・・・。今後は読みやすくするために頑張って短文を心がけます・・・。今回は特に新しいコーナーも入れてしまったので大増量でお届けしています。Q&Aコーナーも充実、かなり面白い内容ばかりなので是非じっくりお読みください。



▼▼▼1.MBの仕事術

「その行動は他人のためか自分のためか」

私が仕事の際に常に心がけていることの一つが、「その行動は他人のためか自分のためか」確認すること。目的を明確にし、誰のために行なっていることなのかを意識しています。

今回は特に「書籍」について解説します。私の関連書籍は既に9冊、累計部数で50万部を突破しました。何故私は書籍を出版しているのかそのあたりを前提含めて少し丁寧に解説します。

無論これはあなたの日々の仕事にも関わること。この仕事術を覚えればあなたの行動や仕事に「無駄」がなくなるでしょう。少し長文です。噛みしめる様に読んでみてください。



▼ビジネスの各構造には目的を与える

ご存知KnowerMagという名前で活動している「おしゃれを教える」という私の事業。下記の様な構造となっています。(よく知らないという人は私のプロフィールをご覧ください。)

書籍やブログからスタートし、メルマガに進み、ラボ(サロン)に進む・・・という階層構造を採用しています。この階層構造自体は以前も説明したことですが、実はそれぞれの階層には「目的」を与えているのです。

書籍は私を知ってもらいブログやメルマガを購読してもらうことが目的、ブログは私を知ってもらいメルマガを購読してもらうことが目的、メルマガはおしゃれをマスターしてもらうことが目的、ラボは文化を牽引する「インフルエンサー」を作ることが目的です。こうした「目的の設定」はビジネスにおいてとても重要な行動です。



▼余談:「リアル」と「ネット」はまだまだ乖離がある

ちなみに書籍とブログに与えられた目的が同じですが、「リアル」と「ネット」という区分けが存在します。書籍は「リアル」、ふらりと寄った書店で見つけて手に取ってくれる場合がほとんどでしょう。一方でブログは「ネット」、検索などで引っかかった人が見るものです。

「書店で情報を得ようとする人」と「ネット検索で情報を得ようとする人」の客層はまるで異なります。ネットに普段から触れている私たち(mine連載を読んでいる方のほとんどが当てはまるでしょう)はともすると「ネット万能論」に頭を支配されがちですが・・・実はそれは大きな勘違い。ネットの力なんてまだまだ。たかが知れていますよ。

いくらブログが月間300万人以上に読まれていても「イケダハヤトって知ってる?」と聞いても、現実の友人には「誰それ」と言われることの方が多いはずです。「ネットの有名人」が「リアルの有名人」とイコールにはまだまだ成り得ません。実はリアルとネットはまだまだ市場が異なるものなのです。

ところが「堀江貴文」の知名度は半端じゃありません。ライブドア事件、ヒルズ族などセンセーショナルな過去のニュースの影響も大きいでしょうが、その時代を知らない若者でさえ「ホリエモン」は知っています。名前だけじゃなく顔もしっかりと認識されて出てくるでしょう。これは彼がいかにメディア媒体や書籍など含めて「リアル」への働きかけも怠っていないかを表しています。リアルもネットもフォローする、その姿勢は学ぶべきところです。

また「電子書籍」についても。「これからは電子書籍の時代だ」「紙はいずれなくなるだろう」などと声高に主張する識者もおりますが、それもまだまだ夢物語に過ぎません。電子書籍の利用率は2割程度で頭打ち状態が続いています。書籍を出版している著者さんなら誰もが理解していることですが、ベストセラーは電子ではほぼ起こり得ません。ほとんどの場合が「書店でいかに売れているか」がポイントとなるのです。

私が「ブログ」というマスに働きかける媒体を持っているにもかかわらず、「書籍」を出版するのはそのあたりが理由です。ネット上では拾えない多くの人にリーチする力を持っているのが書籍です。ですから階層の最も下である「マス層」に向けては同じ目的を持った「ネット用」「リアル用」の2つの媒体を活用しているのです。まだまだネットだけでは、世の中への波及効果は心もとないものなのです。



▼ブログはメルマガに登録してもらうためのもの。

メルマガは本気でおしゃれになってもらうためのもの。

さて先ほど「各階層には目的を設定している」と書きました。

こちらの図ですね。こうした「目的の設定」はビジネスを行う上で無くてはならないもの。「目的の設定がない業務」は形骸化しがちです。

私のブログの目的は「メルマガを購読してもらうこと」だからこそ必ず記事最後にはメルマガへの誘導を行います。また「実際にどのブランドをどう着たら良いか」などのコーディネート例は基本的にブログではほとんど出しません。そうすることで情報を渇望させメルマガへ誘導することが狙いです。

そしてメルマガは「オシャレになってもらう」ことが目的です。ですから読者に「本気」になってもらわねばなりません。人を本気にさせるために最も簡単なことは「お金を払ってもらうこと」です。フリーペーパーはテキトーに読み飛ばすものですが、500円出して買った雑誌はなるべく隅々まで読もうとするものです。10000円出して買った服はどんなに着こなしが難しいものでも頑張って組み合わせを考えて使おうとします。一方で同じ10000円の価値があったとしても「タダでもらった服」は着まわしにくいなと思えばすぐに諦めてしまいます。

心理学的にもマクロ経済学的にも人間は「損をしないように」働く行動原理があります。500円払った情報には500円分の価値を見出そうとするのが人間なのです。500円払っておきながら「面倒くさいから読まなくていいや」とは案外出来ないものです。心理学的には500円払った自分を否定する「自己否定」に繋がるからであり、またマクロ経済学的には「等価交換できなかった」「損をした」事実が現れるからです。ですから本気で自分の情報を吸収させる、本気でおしゃれにさせるためには「お金」をとることが不可欠です。だからメルマガは課金させるシステムを採用しているのです。このあたりは以前も書いた通りです。



▼目的の設定を行っていないビジネスは形骸化する

・・・この様に「目的の設定」を行うと「やるべきことが明確」になります。ブログはメルマガにつなげる目的だから「どうすればメルマガに繋がるか」だけを考えれば良いことになり、単純化され発想が生まれやすくなります。

ところが多くのビジネスでは、驚くべきことに、この「目的の設定」がほとんど行われていません。例えば今やどんなファッション通販サイトにも「コーディネート紹介ページ」はありますが・・・多くのサイトが「ZOZOがやっているから」という理由だけで採用してしまっています。そこに「何故それを行うのか」という目的意識がありません。だからデタラメな作りのサイトが多いこと。

ZOZOではこの様にコーディネートページに「コーディネートアイテム」を配置させ、通販ページへと遷移させることを目的としています。ところがこんな単純なことすら行っていない通販サイトは山ほどあります。「ZOZOがコーディネートを掲載しているからウチもやろう」とそれだけで行動しているわけです。

自分がやっている行動や仕事は「一体なんの目的で行っているものなのか」明確に定義できていないといけません。それらは通販サイトのコーディネートページのごとく、形骸化した無駄な行動となるでしょう。

少し時間をとって振り返ってみてください。あなたがしている日々の仕事、業務の中で「その仕事をする目的は?」と問われて明確に答えられないものが幾つか存在しているはずです。



会社で朝礼をするのは何が目的ですか?

「いらっしゃいませ」と発する行動は何が目的ですか?

昨年対比を求めるのは何が目的ですか?

会社のHPは何が目的ですか?

通販サイトは何が目的ですか?

この商品を販売している目的は何ですか?



どんなことでも構いませんが、行動するたびに目的を頭の片隅でふと考えて見てください。答えが見つからないものは形骸化している無駄な作業である可能性があります。

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