失敗を通じて学ぶことの大切さ
・敗者の話も聞こう
多くの人は、成功者の話をありがたがる一報、敗者の話は聞こうとしないようです。
おそらく「失敗した人間の言うことは説得力がない」のでしょう。
もちろん成功者からの学びも多いですが、敗者からも学ぶことが大切です。
もっと正確に言うと、失敗の要因を分析し、自分が同じような場面に直面したときはどうすればよいか、リスク回避のシミュレーションをするのです。
たとえば経営者の自伝を読んだとする。そこには、従業員の集団退職に遭った、得意先から取引を打ち切られた、資金繰りが悪化し、倒産の危機に直面したという経験が書かれてある。
そしてそのとき、自分ならどうやってそんな苦難を乗り越えるか、あるいはそもそもそんな事態にならないようにするにはどうしておくべきかといったことを、自分の状況や過去の経験に置き換えながら、未来を想像しながら読む。
成功事例も重要ですが、挑戦すれば必ず何らかの壁にぶつかるもの。
そういうとき、失敗事例を知っておくことで、その壁を回避あるいは乗り越えるためのヒントになることもあるでしょう。
経営者が古典や自伝などを好んで読むのは、成功者の浮き沈みなど失敗や苦難の場面も多く描かれているから。
そうやって「他人事」を「自分事」に変換し、仕事や人生での教訓にしているのです。
そういう意味もあり、私もこのメルマガでは、自分の失敗もオープンにしています。
・失敗とは学習であり、学習とは失敗
事前にリスクを想定し、リスクを徹底的に排除もしくは回避しようとはするものの、未知のことに挑戦すればやはり失敗は避けられません。
しかしその失敗から次の課題や教訓を学べば、次はより進化した意思決定や行動につながります。
失敗を避け、成功だけを追い求めようとする人は多いですが、その姿勢こそ成功から遠ざかる要因です。
失敗とは、今までの自分のやり方や考え方が通用しなかったということで、それを変えなければならないということ。
しかし失敗を恐れて行動しなければ、それがわからない。
つまり失敗とは効果のない方法を排除して絞り込んでいくこととも言えます。
また、失敗というのはある意味ピンチや逆境といった状況に直面することでもありますが、そこを乗り越えることでメンタルが強くなり、次の挑戦を恐れないマインドが形成されます。
しかし失敗を経験しなければ、そんな精神力が鍛えられることはない。
打たれ弱いままでは、むきたてのゆで卵のように外界からの圧力や影響を打開する突破力も身に着かない。
また、成功成功また成功というのも理想形のように感じますが、それはときに慢心を生みやすいとも言えます。
某大手航空会社ではないですが、超優良企業と思われていた会社が没落するのも、おそらく慢心ではないでしょうか。
しかし「このままだと会社がつぶれるかも」という危機感を持てば、それが変革・革新へのきっかけとなり、復活や存続の道が見えることもあります。
だからソフトバンクの孫正義氏にしろグーグルのラリー・ペイジ氏やセルゲイ・ブリン氏にしろ、有能な経営者は、致命的にはならない小さな失敗を積極的に経験するのかもしれません。
それは経営に反省や緊張感をもたらし、慢心を防いでくれる役割もあるということでしょう。
このように、失敗とは成功に続く一里塚であり、必要な経験です。
だから成功したいなら今すぐ「失敗は悪だ」という発想を捨て、「失敗は学習であり練習であり、失敗してこそ成功につながる」という発想に切り替えることです。
といっても財産をすべて投げ打つ博打のような挑戦ではなく、失敗したら心が折れて再起できなくなりそうな挑戦でもなく、筋肉痛になる程度の小さな挑戦と失敗を積み重ねるという意味です。
そういう小さな挑戦がしやすい環境が現代です。
私が20代のころ、店を持つには多額の資金が必要で、広告を出すのも多額の資金が必要でしたが、今どちらもほぼタダでできますからね。