引越と家電の新結合~値引きに頼らない顧客価値の創造=理央周

値引き合戦から抜け出よ!

【パソコンを買い換える際の選択肢】

妻と娘が兼用で使っているパソコンがかなり古くなってきたので、思い切って新しいパソコンを購入した。

パソコン選びは、簡単そうに見えて、実は意外と奥が深いということを改めて知った。スペックや色メーカー保証の長さなどなどなど、選ぶべき項目が多く、もちろんながらそれにともなって、価格帯も変わってくる。

しかも、値段が安いものではないため、一生懸命中身を、いろいろな角度から考えて、比較しながら買う。

このように、購入に至るまでに、様々なプロセスを経て、多くのことを考えるような商品群を、高関与商品と呼ぶ。

そんな中で、今回選んだのは東芝のダイナブック。我が家で初めての「ウィンドウズ10」を搭載したモデルで、赤い色といい、スムースな動き方といい、なかなか気にいった。

【なぜこのパソコンを買ったのか?】

まずこのPCを選んだ理由としては、今回エディオンでメーカーの1年保証+ 2年で、CMでもやっている計3年の保証がつく商品が、エディオンにあった点だ。

これは消費者にとってはとてもありがたい話で、下手に値引きやポイントをつけてもらうよりも、安心できるという意味でとてもうれしい。

この「3年保証」の存在を知ったのは、エディオンの「でんき一番店」さんの、家電コンシェルジュの方から聞いた情報だった。

こちらでは、あらかじめ顔品番号が分かっていれば、送料無料で、自宅まで持ってきてくれる。

【なぜ、引越会社が家電販売店をやっているのか?】

ちなみに、でんき一番店は、引っ越し会社が、エディオンのフランチャイズとしてやっている。

引越す時に家電の買い替えはつきもの。冷蔵庫や照明テレビエアコンなどなど、買い替え需要はかなり多いはずである。

引っ越すお客様からすれば、欲しい家電をお値打ちに買えて、なおかつ、引越の時にいっしょにそろえることができて手間を省ける、という利点がある。

引越業界は非常に競争が激しい。プレイヤーが多いのだ。

その中で、工夫なしで商売をしていると、自然と「価格競争」に陥る。いわゆる値引き合戦だ。

しかし、引越一番のように、家電も便利にお値打ちに「同時に」購入出来る、という利点があれば、便利さや時間の短縮に重きをおく顧客からは、値段ではない点において、選ばれることになる。

このように、競合他社がやっていない、しかも、模倣困難なサービスを結合し、新しい顧客価値を提供すると、値引きではない「顧客価値」を提供出来る。その意味での引越と家電販売の新結合は、価格競争から脱するための非常に素晴らしい戦略だ。

■目次

… 1. 特集  「価格競争から脱却する引越一番と家電販売の新結合」

… 2. コラム 「ジョジョの奇妙な冒険からの気づき」

… 3. 書評  「マンガ版 スティーブ・ジョブズとスティーブズ」

… 4. ワンポイント時間術「部下に聞く前に小学4年生に聞け」

… 5. 著書・イベントのお知らせ

… 6. 編集後記

2.コラム:「近道は避けよう ジョジョからの気づき」

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