「ポートフォリオ大研究!」
~ポートフォリオを投資計画に活かす方法~
こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。
一般に、どんな商品であっても一応、完成した形で世に送り出されます。ユーザーは、その商品や開発した会社にどのような過去の経緯や苦労があったのかなど、知る由もありません。ただ、何も考えずにその商品を使うだけです。
一例を挙げるなら、この中でマイクロソフトの名前を知らない人はいないでしょう。同社を創業したビル・ゲイツ氏は、長年にわたって世界長者番付の常連であり、同社が開発したソフトはいまだにパソコンの分野において圧倒的なシェアを誇っています。とはいえ、そんな同社も最初からこうした盤石な地位を築いていたワケではありません。今は「知らない人のいない世界的大企業」と見なされている同社も、かつては一弱小企業にすぎませんでした。
ゲイツ氏は1977年、ハーバード大学を中退し、プログラマー仲間だったポール・アレン氏と共にマイクロソフトを起業します。同社は、当時大型コンピューターから小型コンピューターへと事業をシフトしつつあったIBMからOS開発の依頼を受けます。開発当事者たちでさえ、「コンピューターの未来はハードが握っており、ソフトはおまけに過ぎない」と思っていた中で、ゲイツ氏だけはその可能性に気づいていました。
マイクロソフトの快進撃は、IBMパソコンのOSとして採用されたことをきっかけに始まりましたが、やがて岐路に差しかかります。IBMにOSを供給するようになった2年後には、事業が急激に拡大したために、会社はゲイツ氏の手に負えなくなりつつありました。
ゲイツ氏は1人で5部門を統括し、共同創業者だったアレン氏は病気で退社。同社は顧客のニーズに合わせたプログラム設計をするだけの余裕がなくなり、重要な判断の遅延や先延ばしが続きます。このような同社の転機となったのは、ジョン・シャーリー氏という経営のプロを雇い入れたことでした。
シャーリー氏によると、当時のマイクロソフトはほとんど会社の体を成しておらず、組織や経営のシステムはおろか、製品等の統計データすら取っていない状態だったと言います。シャーリー氏は経営チームを組織し、彼らによって社内はOS部門とビジネスアプリケーション部門に分けられ、それぞれの役割と責任を明確化させました。こうして、マイクロソフトは上場に向けた組織づくりが行われたのです。
最初から、すべてがきちんとできあがっているシステムなどありません。完璧もありえません。無から有を生み出すためには、必ず試行錯誤をする必要があるということです。
【Vol.42『ポートフォリオ研究』目次】
〔1〕イントロ:「卵をひとつのカゴに入れよ」の意味って?!
〔2〕本文:「ポートフォリオ大研究!」~ポートフォリオを投資計画に活かす方法~
1、ポートフォリオとは何か?
◎「ポートフォリオ」の意味とは
◎ポートフォリオが持つ3つの役割
2、理想のポートフォリオに近づくためには
◎ポートフォリオの作成には3つの段階を踏む必要がある
◎ポートフォリオの第1ステップにいる人が行うべきこと
3、ポートフォリオをステップアップさせていこう
◎第2ステップ:分散の開始
◎第3ステップ:「守る」への移行
4、ポートフォリオの選択肢を増やす
◎ポートフォリオの着地点
◎海外投資は怖いのか?
5、間違いだらけの海外口座開設
◎ダメなパターンその1:邦銀の海外口座に申し込む
◎ダメなパターンその2:ネットを使った申し込み
◎海外口座を開くのであれば
6、実践!ポートフォリオ戦略
◎ポートフォリオの核となる4項目
◎理想のポートフォリオ図を描くのは「自分」
7、リスクを取りたくなければリターンもない
★本日のワンポイントアドバイス☆★
コンサルタントがポートフォリを特定するために行なう3つの質問
〔3〕インフォメーション:「電話コンサル受講者 募集!」~ご自身でポートフォリオをつくってみませんか?~
〔4〕次回予告(予定):「本当の人脈のつくり方」って?~人脈を仕事につなげる方法~
〔5〕セミナーのご紹介:「運が良い方も、悪いと思っている方も、一聞の価値ある内容です!」
〔6〕Q&Aコーナー:「仕事も投資も順風満帆!」でも、将来が心配な時は?
〔7〕ニュースのビジネス的着眼点:「恐竜は、小回りが効かない」
〔8〕編集後記:
天才の共通点とは「見えないディテールにまでこだわる」こと
◆〔1〕イントロ:
「卵をひとつのカゴに入れよ」の意味って?!
さて。このメルマガは、ご自身の資産を増やすための方法と考え方をお伝えする内容となっています。ですから、これをお読みのあなたは、投資かお金に関心がお有りのことと思います。
投資を志す人であれば、どこかで必ず1度は聞くことになる、ある格言があります。それは、
「卵はひとつのカゴに入れるな」
というものです。
この格言は、一般に「ひとつのカゴの中にすべての卵を入れておくと、万一、落とした時に全部割れてしまう危険性があるから気をつけなさい」という意味で、要は「投資は分散投資を旨とせよ」と解釈されています。
もちろん、これは正しいことです。ただし、それには順番があるのだということを、あなたはご存じでしたか?つまり「卵が割れないように」と意図することは、「今、手にしているものを失わない」というリスクヘッジの意味合いがあるということです。
ですから、「そこまでまとまった資金を持っていない」という人や、「毎月の給料の中から直接、投資を行おう」と考えている人などは、必ずしもこの格言が当てはまるとは限りません。だとしたら、そういう人はどうしたらいいのでしょう?それは、「卵をひとつのカゴに入れるところから始める」ことです。でもそれって、さっきの格言と正反対の意味ですよね?
一体どういうことかと言うと、「まずはひとつから始めて、そこから徐々に広げていく」ということです。だいたい、金額が少ない状態でいきなり分散してしてしまうと、リスクが分散されるメリットよりも、投資効率が落ちてしまうデメリットの方が大きくなってしまいます。分散投資を行う前に、「まずはそれができる環境を整えることが先決」ということです。
何ごとも、一気にことを成し遂げようとすると、その分の反動も大きくなるものです。目標に近づいていくためには、その目標が大きければ大きいほど、段階を踏んでいく必要があるのです。