ジャイアントセットの組み合わせは

※この記事は、『バーサーカーコラム』2015年12月19日からの抜粋です。

http://www.berserker.jp/column/show/178

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ミロス・シャシブが採り入れて多くのプロビルダーに効果を挙げたジャイアントセット。これは4つ以上のエクササイズをインターバルゼロで連続的に行うもので、例えば肩のジャイアントセットだったら次のような流れとなる。



■肩のジャイアントセット例

1. サイドレイズを10回

2. インターバルゼロで、すぐにリアレイズを10回

3. インターバルゼロで、すぐにアップライトロウを8回

4. インターバルゼロで、すぐにアーノルドプレスを12回

これは軽い重量で強烈なパンプを得ることができるし、ケガの危険性も少ない。化学的刺激を与えるには良い方法である。ところで、これと「軽い重量で一つのエクササイズをハイレップスでやる方法」との違いは何であろうか。

一つのエクササイズをハイレップスで行うほうが、同一モーターユニットを刺激できるため、より強い化学的刺激を与えることができる。またエクササイズをチェンジするときに、筋の緊張が逃げてしまう。これがジャイアントセットのデメリットである。ジムで怒られるかも、なんてのもあるが。

ではエクササイズをチェンジしていくジャイアントセットのメリットは何か。これは上記と同じ理由で、「別のモーターユニットを使い」、「チェンジ時に休める」ため、各エクササイズでそれなりに重い重量が扱えるということだ。つまり弱い物理的刺激を得つつも、ある程度の化学的刺激を得ることができるということが、ジャイアントセットのメリットに他ならない。

では、ここまでを頭に入れた上で、ジャイアントセットのエクササイズ選定方法を考えていこう。

最初に考えるべきなのは、補助筋がかぶらないようにすることだ。胸のジャイアントセットを行う場合、プレス系ばかりでは三頭が先に疲れてしまう。プレス系とフライ系を交互に行うなどの配慮が必要だ。

また、先にアイソレーション系を行う事前疲労は、あまり効果がないことが分かっているため(※1)、最初にコンパウンド種目を入れるようにする。

POFも考慮したい。ミッドレンジ種目とストレッチ種目、コントラクト種目を組み込むようにしよう。

またスタビライザーのことも考えねばならない。スタビライザーを多く使う種目を最後に持ってくると、軌道がブレてしまって追い込めない可能性がある。そのため、最初にダンベル系を行い、次にバーベル系、最後にマシン系が来るように順番を調整する。

これらを考慮して、例えば大胸筋のジャイアントセットを考えると、次のような組み合わせとなる。



■大胸筋のジャイアントセット例

1. フラット・ダンベルベンチプレス

2. インクライン・ダンベルフライ

3. スミスマシン・デクラインベンチプレス

4. バタフライマシン

ジャイアントセットは軽い重量でも刺激を与えられるため、自重エクササイズやチューブ、アイソメトリクスなども有効となる。ジャイアントセットどころかスーパーセット禁止のジムもあるようなので、大胸筋だったらプッシュアップや合掌(アイソメトリクス)などを採り入れたりするのもいいだろう。



※1:

事前疲労法は有効か?

http://www.berserker.jp/column/show/87