生物の一番最初の「母」は何であったのか 武田邦彦のメルマガ集中講座 『科学と命(1)誕生』

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この「科学と命」のシリーズは、「まぐまぐ!」と「武田のブログ(takedanet.com)」をつなぐ初めての試みである。「まぐまぐ!」で文章を読み、私のブログで音声の解説を聞いていただければ、たてと横の方向から読んだり、見たりできるので、知識がさらに深くなり、その人なりの深い命の理解が得られると期待している。

◆地球誕生から46億年。生物の一番最初の「母」は何であったのか

地球ができてから46億年。それから9億年後の37億年前に地上に生命が誕生した・・・講演の時、このように説明すると大人は「そうか・・・」という顔をして聞いてくださるが、子供はそうはいかない。すぐ質問が来る。

「先生!最初の生物のお母さんは誰だったのですか?」

最初に私にこの質問をした子供は小学校4年生の女の子だった。きわめて鋭い質問で、生物にはかならずお母さんがいる。お母さんがいなければ生物は誕生しない。ということはそのお母さんにもお母さんがいるはずで、そうなると37億年前に最初の生物が誕生したということが論理的にはおかしな事だ。それをその4年生の女の子は私に質問したのだ。

かつて、どんなに偉い学者も、この女の子と同じ事を考えていた。地球ができた時には2000℃を越える温度だったので、生物がいるはずもない。それが37億年前にはいたことが分かっているのだから、その間に何かがあったに相違ない。それは、

1)神様がいて命をお作りになった

2)地球の外から隕石に乗ってやってきた

の2つだろうと推定された。そこで大まじめに「隕石の中に生命は見つかるか」という研究が行われ、その中で「マーチン隕石」という生命があるようなないような隕石が見つかって話題になったこともあった。

ところが研究をしていく内に、「生命とはそれほど特別なものではない」ということが分かってきた。

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