「生命保険は結局、入った方が得?損?」(2) ~2017年の保険料改定がもたらすもの~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.54

「生命保険は結局、入った方が得?損?」(2)

~2017年の保険料改定がもたらすもの~

 こんばんは。俣野成敏です。

 あなたは、GNP営業という言葉を知っていますか?GNPとは「義理・人情・プレゼント」の略です。これらを使って相手の情に訴え、商品を買ってもらうという営業手法です。

 先日、Facebookを見ていた時に、偶然あるネット系生命保険会社の社長の書き込みを見つけました。そこには「多少手続きが面倒だとしても、私の知人やフォロワーであるなら、私の会社の保険に入っていただきたいと思います」というようなことが書いてありました。会社の弱点をあえて挙げ、「それでも知り合いなら入ってくれるべきでしょ?」と情に訴える作戦です。

 もともと合理性を売りにしているのがネット系保険会社の強みです。けれどこの書き込みは、その会社の社長が自ら義理人情に訴えなければ契約が取れないような事態に陥っていることを示しています。こういう情報を目にすると、「この保険会社はそれほど危機的状況なのだろうか?」とかえって心配になってきませんか?



【Vol.54『国内生命保険(2)』目次】

〔1〕イントロ: 生命保険に入ると、実際にどれくらい節税できるのか?

〔2〕本文:「生命保険は結局、入った方が得?損?」(2)〜2017年の保険料改定がもたらすもの〜

1、あなたの加入している生命保険は、本当にあなたのためになるのか?

 ◎結局、自分は生命保険に入ったほうがいいのか?

 ◎海外では、生命保険とはエグゼクティブが入るもの

 ◎私たちの保険料はどのように使われているのか?

2、「あなたも他人ごとではない!」保険見直し・切り替えドキュメント

 ◎保険金支払いは、すべてのがんが対象になるとは限らない

 ◎生命保険を切り替える際の注意点

3、どんなことにも“修行時代”がある

★本日のワンポイントアドバイス☆★

 自分にぴったりのアドバイザーを見つける方法

☆今週の宿題★☆

 生命保険を実際に自分の目で精査してみよう

〔3〕次回予告(予定):「生命保険は結局、入った方が得?損?」(3)〜2017年の保険料改定がもたらすもの〜

〔4〕今週のQ&Aコーナー:もし、購入した株が上場廃止になったらどうなるの?

〔5〕ニュースのビジネス的着眼点:企業は本格的にやってくる人員不足にどう対処する? 

〔6〕編集後記:今、時代は「ハンドメイド」!



◆〔1〕イントロ:

 生命保険に入ると、実際にどれくらい節税できるのか?

「保険に入ると、節税になります」。

 これは保険の営業マンがよく口にするセリフです。これを聞いた人の多くが「自分のために保険に入って、さらに節税にもなるなら」と思い、言われるままに保険に加入してしまいます。けれど、本当はどれくらい節税になるのか、あなたはご存じでしょうか?

 生命保険料に関する税金控除は、所得税と住民税それぞれ保険料の年間支払額によって控除額は4段階に分かれています。控除対象は生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料の3種類が認められています。所得税の最大控除額は年間支払額が8万円を超えていれば4万円まで、住民税は5万6000円を超えれば2万8000円まで可能です。3種類全部に加入していれば、所得税控除は最大12万円、住民税の場合で最大7万円までが控除となります。

 たとえば年収500万円の方が月々1万5500円の生命保険に加入しているとしましょう。所得税、住民税の税率を控除も含めてだいたい10%だったと仮定すると、年間18万6000円の保険料を支払うのに対して、節税額は約1万2000円になります(概算。実際は条件等によって変わります)。20万円近くも支払って、戻ってくるのは1割にも満たないワケです。

 ひょっとして、あなたは節税になると思って余計な保険に加入してはいないでしょうか?

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