小選挙区制を止めれば、賃金は上がる 武田邦彦のメルマガ集中講座『給料を上げよう!(1) 芋づる方式へ』



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◆豊かで幸福な人生を送るために…。私たちの給与を上げる方法とは

これまでに7回のシリーズで「国家100年の計」を整理しましたが、それに基づいて、現実に「私たちの給与をあげる具体的な方法」に進みたいと思います。いくら国家100年の計が定まっても、結局、給料は減り、寿命が短くなってはどうにもなりません。だから「長い計画」と「当面の方針」の二つがセットになって初めて「豊かで幸福な人生」を送ることができるからです。

著者は最近、ある大学で「私たちの世代が行ったまずいものの処理を、若い人に押しつけてはならない」という内容の講演をしました。たとえば、「リサイクル技術の開発」などは、私たちの世代がゴミを多く出す社会を作ったので、それをカバーする技術で、あまり前向きではありません。それより次の世代ではもともとゴミがでない生活様式などの研究をする方が良いということです。

第二に、若い世代が私たち古い世代のまずい点をカバーすることなく、新しい時代を目指して大学で研究を始めるテーマを提案しました。それは、

1. 民意が実現する選挙制度と議論する議会

2. 日本を守ることができる防衛体制

3. 持続性のある崩壊しない年金

4. 苦しまない女性の一生

5. 楽しみが多く、自殺者の少ない社会

6. 天寿を全うできる医療、学問、生活設計

7. 全ロボット化の科学技術

8. 全ロボット化の社会における人生設計

9. 日本列島の平野化のための基本的改造

どれ一つをとっても、それほど特別ではありませんが、「現実に困っている事を解決する」という意味ではいずれも大切なテーマです。

1990年のバブル崩壊の時の給料を100とすると、現在の日本人のサラリーマンの賃金は88になっています。それに消費税の8%を加えると、実質的に「買うことができるお金」は80%です。

つまり2割も給料が下がっていることを意味しています。この間、欧米の主要な国の平均の賃金は150になっていて、実質的に150÷80≒2となり、欧米諸国のサラリーマンに比較して賃金の変化が2倍にもなっているのです。

これは第一に「政府が悪い」ことは間違いありません。

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