「生命保険は結局、入った方が得?損?」(4) ~2017年の保険料改定がもたらすもの~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.56

「生命保険は結局、入った方が得?損?」(4)

~2017年の保険料改定がもたらすもの~

 こんばんは。俣野成敏です。

 アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏がお亡くなりになったのは2011年のことです。早いもので、すでに6年もの歳月が流れています。あれだけの人物を失ったにもかかわらず、アップルはいまだに健在です。

米アップル 時価総額が8000億ドルを突破

 たいていの人は、ジョブズ氏がどうやって自分の想像力を発揮して、あのような偉業を成し遂げたのだろうと知りたがります。しかしアップルがいまだに時価総額世界1位の地位を保っていられるのは、ジョブズ氏が想像力や実行力だけにとどまらず、経営者としても卓越したものを持っていたことを示しています。

 社会に大きなインパクトをもたらしながら、世代交代に失敗した会社は、枚挙にいとまがありません。有名なものに、スーパーのダイエーがあるでしょう。かつてのダイエーは創業者・中内功(なかうちいさお、「いさお」の字は実際はたくみ偏に刀)氏のもとで流通改革を掲げ、小売業界の革命児とも称されながら、時代の変化についていけず、ついにはライバル・イオンに屈することとなったのは、記憶に新しいところです。

 先日、GE(ゼネラル・エレクトリック)のジェフ・イメルトCEOが退任を発表し、後任にジョン・フラナリー氏を指名しました。

 イメルト氏は伝説の名経営者、ジャック・ウェルチ氏の後任として2001年、GEのCEOに指名されました。イメルト氏の就任直後には米同時多発テロが発生、その後はリーマン・ショックに遭遇するなど、これまで次々と訪れる難しい局面を切り抜けてきました。

GEイメルト氏退任 物言う株主からの圧力?

 記事によれば、イメルト氏は卓越な指導力を発揮していたにもかかわらず、株価が前任者から引き継いだ時点からなかなか上回れなかったことが今回の退任劇につながった、としています。実際、本当のところがどうなのかは何とも言えません。GE139年の歴史の中で、これまでCEOに就任したのはわずか10名です。平均が14年だとすれば、在任16年のイメルト氏の任期が特別短かった、とは言えないでしょう。

 それよりここでお伝えしたいのは、「会社の行く末は、リーダーによって大きく左右される」ということです。記事をお読みいただけば、特に重要な局面において、リーダーの決定が会社の盛衰に大きく影響していることが読み取れるのではないでしょうか。

 私たちは、ともすると「自分は会社によって動かされている」という錯覚を起こしがちです。けれど実際は、会社とは紛れもなく人が動かしているのです。



【Vol.56『国内生命保険(4)』目次】

〔1〕イントロ: 死には“再生”という意味がある

〔2〕本文:「生命保険は結局、入った方が得?損?」(4)〜2017年の保険料改定がもたらすもの〜

1、自分にとって必要なものを見極める

 ◎本当に心配するべきこととは何なのか?

 ◎「高額な医療費」を必要以上に恐れていないか?

2、生命保険に“抜け道”はあるのか?

 ◎保険を使った有効な節税対策とは?

 ◎日本人が海外の生命保険に加入することは可能なのか?

3、自分の貴重なお金を活かせるのは「自分しかいない」

★本日のワンポイントアドバイス☆★

 保険に入るべきかどうか?を考える際の3つの質問

☆今週の宿題★☆

 老後の人生設計を考えてみよう

〔3〕次回予告(予定):「海外銀行口座開設」徹底攻略法!(上)〜日本人に海外の窓口は開かれるのか?〜

〔4〕今週のQ&Aコーナー:仮想通貨の税金ってどうなっているの?

〔5〕ニュースのビジネス的着眼点:動き始めた「働き方改革」

〔6〕編集後記:マンガでも投資が学べます!



◆〔1〕イントロ:

 死には“再生”という意味がある

 さて。アップルのジョブズ氏は、プレゼンテーション能力にも卓越したものを持っていました。氏が生前、行なったスピーチの中でももっとも有名なのは、米スタンフォード大学の卒業式で行なった、15分ほどのゲストスピーチでしょう。

スティーブ・ジョブズ 米スタンフォード大学卒業式スピーチ

 その中で、氏が医者から「膵臓がんで余命3、4ヶ月」と宣告されたのは、2004年のことだったと話しています。その後、がんの摘出手術を受け、一度は復帰しています。享年56歳。早すぎる死が惜しまれます。

 ところで一度、生還を果たしたジョブズ氏が感じたものとは、「死はすべての終着点であり、誰も逃れられない」ということでした。

 同時に、死とは「古き者を消し去り、新しき者に道を譲る」ための重要な役割を担っていることにも気づいたそうです。ジョブズ氏はスピーチの中で「無駄に他人の人生を生きてはいけない」「自分の心の声に従う勇気を持ってください」と語りかけています。

 人とは結局、ある程度の予防はできるにせよ、いつ病気になったり事故に遭うのかはわかりません。そうなりたくない気持ちは当然ですし、万一の備えはしておくべきでしょう。

 とはいえ、死が最終的には逃れられるものではない以上、大切なのは「今をいかに生きるか?」のほうなのではないでしょうか?

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