マンションを売却します/ 孤独を楽しめると真の自己実現ができる~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」

 孤独を楽しめると真の自己実現ができる

・「ひとりになりたい」は健全な情動である

育児や仕事に追われる日々が続いたとき、ふっと「一人になりたい」と感じることはないでしょうか。もしそうなら、あなたの心はとても健全だと言えます。

なぜなら、一人になること、つまり孤独には、自己回復機能があるからです。私たちは毎日いろいろな出来事に遭遇し、いろいろな経験を重ねていきます。また、たくさんの新しい情報や知識も吸収していきます。

それらによって、不安になったり怒りを覚えたり、うれしかったり悲しかったり、様々な感情を抱きます。ときには自分の価値観や意向とは異なることをやらざるを得ないとか、予想外の意にそわない結果になることもあるでしょう。

そういった外界の状況と自分の価値観をすり合わせ、自分が納得する意味合いをつけるという、心身を統合させる作業が必要です。それが心のバランスを取り、ストレスを解消し、心の安定だけでなく、充足感やモチベーションにもつながります。

しかしそれは、ひとり自分の中に向かい合わなければできない作業であり、だから忙しい日が続くと、人は孤独になろうとするのです。

これは子どもでも同じで、塾やお稽古ごとに追われて自分と向き合う時間が取れないと、イライラすることがあります。自分の経験を振り返って納得するという作業ができないと、それがストレスになるからです。

ずっと動画を観たりゲームばかりしているように見える子どもでも、たとえば学校からの帰り道は一人で帰ったり、ふとんの中でしばらくぼーっとしたりなどしています。そのとき、周囲からは見えなくても本人は内省の作業をしていて、そうやってバランスをとっているものです。

そもそも、人は精神的に成熟すると、孤独を好むもの。女性の方が精神的な成長は速いですが、特に中学生ぐらいになると、大人びた女子ほど群れるのを避けたがる傾向があります。グループの会話がひとく子どもっぽく思えたり、集団行動を恥ずかしく感じるようです。

もちろん友達関係を断っているわけではなく、それなりにはしゃいだりはするものの、よく一人でいるところを見かけるような子どもは、精神的に自立していることが多いようです。

しかしそんな孤独をいやがる人は、心身の統合作業が不足し、心が不安定なまま。だから余計に人の輪に入って自分の存在を確認しようとしたり、SNSに没頭して人とのつながりを確認しようとするなど、逆の行動をしてしまいがちです。つまり彼らは心が成熟していないのです。

・自己実現とは自分らしく生きること

自己実現という言葉をよく耳にすることもあると思いますが、それは何もバリバリ活躍することだけを指すわけではありません。

自分の本心に従って生きていくこと、それが許される環境・世界を作ることもまた、自己実現のひとつです。

ありのままの自分、素の自分が通用するなら、ウソ偽りもなく、無理して周囲に迎合することなく、つねに自然体で本音ベースで生きることができます。

それはすなわち、自分らしく生きるということであり、「自己」をそのまま実社会で「実現」していることにほかなりません。

ことさら華やかな活躍でなくても、自分を堂々と出して生きられることは、自分への自信、自分の人生への信頼と、将来に対する明るい希望を持つことができます。それは言い換えれば「幸せ」でもあります。

しかし孤独を恐れる人は、この意味における自己実現ができません。一人にならないよう、自分を抑えて周囲に合わせて接するからです。集団からあぶれないよう、自分の思いよりも周りの反応に配慮して行動するからです。

見た目は華やかで活躍しているような人でも、仲間にちやほやされたいあまり、つねに神経をすり減らしながら気配りをしている人も少なくありません。

ではどうすれば、この「心の自己実現」ができるのか。

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