第24号 家電見本市「CEATEC」は蘇るか

CEATECは蘇るか 

日本の家電産業の凋落は、さまざまなところに影響を及ぼしている。そのひとつに、国際的な家電見本市のひとつ、「CEATEC JAPAN 」の低迷が挙げられる。2007年のピーク時には20万人の来場者数を誇ったCEATECだが、昨年は過去最低の13万人にまで落ちこんでしまっている。

鴻海精密工業に「身売り」したシャープを始め日本の家電メーカーの経営には厳しいものが続いている。そのため、ソニーやパナソニックなど大手メーカーからのCEATECへの出展取り止めが相次いでいることも痛い。

世界的な家電見本市としては、1月に開催されるCES(米国・ラスベガス)と9月のIFA(独・ベルリン)、そして10月のCEATECが三大見本市であった。当初はIFAの存在感が薄く、CESからCEATECといった流れであった。中国や韓国などアジアの新興メーカーからの出展もあって、二大家電見本市の様相さえ呈していた。

ところが、IFAが積極的な見直しに取り組み、ここ数年の間に新しい技術のお披露目としてのCES、そしてそれを商品化したIFAという流れが定着してきている。もちろん、その背景には日本の家電メーカーの経営不振の悪影響も大きく、家庭用VTRのような世界市場を牽引するような製品を送り出せていないことはその象徴である。

いまや、「技術のCES」と「商品のIFA」で世界の家電市場は回っていると言っても過言ではない。しかもIFAでは、CESでは取り上げない「白物」家電の商品も含めて展示しており、いまでは世界最大の家電見本市と言っても差し支えない規模になっている。

そんな状況にやっと危機感を持ったのか。誰もが「トゥーレイト」と思う非常事態のなか、「CEATEC」の本格的な再建への取り組みが始まった。9月12日、都内で「CEATEC JAPAN 2016」の報道関係者向け説明会が、あらためて開かれたのである。

その場で明らかにされたのは…

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