【特別対談全文】俣野成敏さん×MBさん

数多くのベストセラーを出すビジネス書作家・投資家として活躍中の俣野成敏さんと、最近メルマガ登録者数が激増し著書の出版やWeb『日刊SPA!』の連載などでも活躍するメンズファッションバイヤー・MBさん。mineにも著者として参加しているお二人が、副業、起業、そして未来の働き方までを語り尽くした特別対談をお届けいたします。 



※2017年2月にお二人のメルマガ読者様限定で配信された対談のmine版です。内容に変わりはありませんのでメルマガ読者の皆様はご承知の上お楽しみ下さい。



●成功のキーワードは「箱を決める」こと

――ビジネス書著者として知られる俣野さんと、メンズファッションの伝道師であるMBさんのお二人なんですが、意外なことに以前からのお知り合いなんだそうですね。一体どういったきっかけで、お会いになられたんですか?

MB:それが、たまたま共通の知人がいたんです。僕の高校のひとつ下の後輩で、学生時代は顔見知り程度だったんだけど、ファッションの仕事をし始めてから再会して、それから仲良くなったんです。

俣野:そのMBさんの後輩というのが……僕が主宰している「プロ研」っていうコミュニティがあるんですけど、そこに所属しているメンバーだったんです。それである日、その彼が「ぜひ会わせたい人がいます」と言われて、行ってみたらそこにいたのがMBさんだったんです。

――それはいつ頃の話なんですか?

俣野:あれは……船上パーティーをやる前だったから、2016年の1月ぐらいかな。

MB:そうそう。あの時、俣野さんが飲みながら「今度、船上パーティーをやるんですよね」とか急に言いだしたんで、こっちは意味がわからず「はぁ?」って感じで(笑)

俣野:それで、いろいろと経緯を説明したんです。そうしたら「俺も参加してもいいですか?」っていうことになったんですよね。そしたらMBさんが、自分のコミュニティで発信してくださったみたいで、その結果パーティー当日は黒装束の集団が会場にズラッと集まったという……。

MB:そうでしたね(笑)

俣野:そこで急遽、二人でトークショーをやってね。……だから、初対面は飲み会で、2回目には船上パーティーなのかな? 知り合ってから間隔を開けずに会う機会があって、それで仲良くなったという。

MB:いやぁ、最初はどんな人なんだろうって思いましたよ。だって「書籍の出版記念で……」っていうのは分かるんだけど、その後に「……船上パーティーをする」って発言が続くというのは、どういうことなんだと(笑)。なんだか謎の人間というか、スケール感が面白い人だなぁって。

――船上パーティーをやったのは、どれぐらいの大きさの船だったんですか。

俣野:借りたのは3階建ての船で、確か215人乗りだったかな。

――かなり大きい船だったんですね。

俣野:とにかく、船を借りようっていうところから始めたんですよ。何をするかは後で考えるということで。その時は僕ともうひとり、金田博之さんという著者の方が主催者で、共著を出すから船上パーティーにしよう、っていうことにしたんです。でも、その時点ではどうやって215人分の箱を埋めるかっていうのを考えてなかったから、その金田さんと「最悪、2人で東京湾クルーズだね」っていう話をしていて…。最悪を思い浮かべても笑っていられる企画ならまぁやる価値はあるのかなと。

MB:(笑)

俣野:船を借りて飲食なんかを考慮すると結構な金額がかかったので、万が一こけた場合は割り勘しても手痛い出費にはなるけど、それも後々話のネタになるかなぁって話をしてたところに、たまたま知り合ったMBさんがうまいことジョインしてくれたって感じなんですよ。結局、僕ら著者は人と違った経験を売りにしている生き物ですからね。

MB:でもアレは面白かったですね~。

俣野:そうでしたね。

MB:なんか、よくワケが分からないっていうか……俣野さん、著者なのに歌うたってるし(笑)

俣野:珍しいことをやらないと、人って反応しないというか、来てくれないじゃないですか。僕はバンド経験とか一切ないんですけど、今回の企画を一緒にやった金田さんが時々生バンドでライブをやっていて、「今度一緒にやりましょう!」って言われて「ぜひ!」って返していたんですよね。そしたら、「時はいま!」となり。トークライブはもう自分が主宰している「プロ研」でも40回近くやっているから慣れたものですが、同じライブでもミュージックですから!何ヶ月間かにわたってバンドメンバーと練習しましたが、これが新たな発見の連続で、楽しくて仕方ありませんでした。

MB:でもその話って、結構ビジネス的な意味もあって。……俣野さんと最初にお会いした時に、僕が年に一回引っ越しをするって話をしたんですよ。

俣野:それ面白いですよね。すごく反応しましたね、僕としては。

MB:今もそれは継続中なんですけど。でも年に一回引っ越しって、すごくバカげたことだと思うんですよ。敷金、礼金がもったいないし……。

――どういうところに反応されたんですか。

俣野:まず年に一回の行事にしてしまうっていうのが、すごく大事なことなんです。

何でかって言うと、それに合わせて生活スタイルを変えたり場所を選んだりって、空間を変えるじゃないですか。それによって、まずモノの整理整頓が強制的にできる。あとは新しい街に住むために、いろんなところに足繁く通うことになれば、その都度新しい情報がキャッチできる。年に一回の引っ越しをすることで、そういう行動にエクスキューズができるっていうのは大きいですよね。引越しって面倒なことですから、よほどの理由が要るのが普通です。面倒なことは習慣化するか、面倒になる前に予定に組み込むかに限ります。

――なるほど。確かにそうですね。

俣野:僕も引っ越しじゃないですけど、海外は結構行くんです。2か月に1回は行くようにしてるんですけど、それは近場とか遠方とか関係なく、とにかく自分の身を置く場所を変えることで、新しい情報が吸収できるっていう、自分自身の経験知があるからなんですよね。

MB:海外ってそれがすごく顕著で、わけわかんない土地に一人で行くということが、すごく価値があることじゃないですか。

俣野:やっぱり人間って生存本能があるから、新しい場所に行っても、どうすればつつがなく過ごせるか……もっと上のレベルで言えば、楽しい思いができるかっていうことで、自然に動くんですよね。

MB:そうすると、普段使ってない脳みその部分が動き出すっていうか。だいたいの人って、毎日がルーチンだと思うんですけど、ルーチンにないところに身を置くと、ルーチンじゃない脳みそが動いてくれるんで、そこからインスピレーションが生まれたりするんですよ。

俣野:これは、すごくいい話だと思うんですよ。……ルーチンって、退屈することが多いと思うんですよね。例えばコールセンターで、お客さんからの電話を受けますっていう時に「なんかドキドキしちゃいます」っていうのは、おかしい話で、そういうのは粛々とマニュアルに沿ってスタンダードを追及するっていうのが、ルーチンじゃないですか。それはそれで大事なことなんですが、そこから新しいものが生まれるってことはないですよね。

MB:そうですよね。僕もメルマガにもよく書いていることなんですけど、「クリエイティビティ」と「継続すること」っていうのは、どっちも一応必要なことなんです。あまりにもクリエイティビティばかりを追求しすぎると、継続することができなくなってしまうし、それとは逆に継続ばかり追求していくと、創造性が腐っていって新しいことができなくなってしまう。新しいことをやりながらも、続けることはきちんと続けるっていう、「クリエーションと継続の両立」ってすごく大事だなぁって。

俣野:これはすごくイイまとめ。僕が散らかした話をすべてまとめてくれてる(笑)……MBさんがおっしゃる通り、そのバランスってすごく難しいんです。だから、MBさんのように引っ越しを年に1回やるとか、僕のように3年に1回はバカをやるっていう風に、決めないとできないことだと思うんです。

MB:そうなんですよ。

俣野:僕の場合、さっき話した船上パーティより前には何をやったかというと、福岡にあるヤフオクドームの公式戦で始球式イベントをやったんですよ。

――それは、どういうことですか?

俣野:ヤフオクドームでソフトバンクホークスの公式戦がある時に、試合前に始球式があるですけど、あれって権利で、広告の一環として売ってるんですよ、球団が。それを買ったんです。

――じゃぁ、俣野さんが投げたんですか?

俣野:その時は、知り合いに投げさせたんです。伊藤喜之さんっていう『バカでも年収1000万円』(ダイヤモンド社)という16万部のベストセラー著者の友人なんですけど。……ある時、その伊藤さんと福岡でセミナーをした時に、僕の友人で球団広報をやっている人間が、遊びに来てくれたんですよ。それでみんなで会食をした時に、伊藤さんが「球団広報って何をやってるんですか?」って聞いたら、始球式の権利などをスポンサーに販売しているって話になって。そしたら、その伊藤さんが「マジですか? 僕も投げられるんですか」って盛り上がっちゃって。……僕が「やっちゃえ、やっちゃえ」って乗せちゃったんですけど(笑) 

――お酒の勢いで決まっていったんですね。

俣野:いや、僕は酒の場の冗談で終わればいいなって思ってたんだけど、彼は本当に火がついちゃって。翌日、球場を見学できるってことなので、実際に行ったんですよ。するとその場で彼が「もう僕、決意を変えたくないんで、どこかにサインさせてください!」って言い出したんですよ。コミットしたいからって。先方は「特に契約書とかは無いんですけど……」って言ってるんだけど、「じゃぁ白紙でもいいんで、とにかくサインさせてください!」ってことで話を決めちゃって。それで「じゃぁ俣野さん、あとはよろしく頼みますよ」って言われたんで、こっちは「えっ?」ってことになって。

――ちなみに始球式の権利って、いくらほどで買えるんですか?

俣野:具体的な金額をここで言うことはできませんが、ちょっとしたお値段です。それで、始球式は半年後っていうことになったんだけど、そこから「どうするんだ?」っていう話になったんです。箱は抑えちゃったから、もう後には引けないし。……でも始球式って、例えばどこかの会社とか映画とかのPRでやるもので、イメージ戦略というかお祭り感覚でやるものじゃないですか。でも僕らの場合、ビジネスマンとして参加者に喜んでいただける形を考えて元を取れるようにしないとマズいなって考えて、まず最初にしたのがリソースの確認だったんですよ。

MB:これは仕事の進め方にも通じてくる話ですね。

俣野:そう。というわけで、広報担当者に「始球式の権利を買ったら、ドームの中の何が使えますか」ってあれこれ聞いてみたんです。そしたら、普段あまり使っていないスペースがあって、そこは使わせてくれるということで、セミナーをする会場を確保したんですよ。王貞治ベースボールミュージアムです。それと、チケットも何枚かもらえるってことだったんだけど、転売してダフ行為になってしまうと嫌なので、セミナーに来てくれた方へのプレゼントということにしたり、球場側との交渉でいろんなボーダーラインを探りながら、企画を形にしていったんです。

それ以外にも、ヤフオクドームって豪華なVIPルームがあって、それも借りることができたんで、じゃぁ誰かお金を出せる方を集めようってことになったんです。でも、単に野球を見るだけじゃ、野球好きじゃない人は呼べないので、どうしようということで考えたのが、僕らの本を担当している書籍編集者と、出版に興味がある方をマッチングさせるっていうイベント。出版企画を持参した人は、出版社の編集に見てもらえて、最低ワンコメントは返してくれるよってことで告知したら、結構集まってくれて。さらには、ギネス級のオーロラビジョンに書籍の宣伝をしたり、通路で書籍を売るイベントにしたりすることで、出版社にもご協賛いただいたり。

――それはいい企画ですね。

あとは、試合前に両監督に花束を渡すっていう権利もあったんだけど、それも一番多く協賛金を出してくれた人に譲ったりして……。そういう風に、いろんなイベントを組み合わせて、なんとか結果当日までに資金の大半を回収したんですよ。

――酒の勢いで始まった話が、とても大掛かりなことに……。

俣野:こういう風にクリエイティビティって、自分から無理にでも仕掛けていかないと、足が重いんですよね。MBさんのように1年に1回引っ越しするとか、僕のように3年に1回はそういうバカをするとか、自分のなかのマイルールを決めないと……。

MB:そうなんですよね。そういう意味では、環境を変えるっていうのが一番簡単かなって気がしますね。だから、俣野さんが海外へよく行くっていう話を聞いたときに、それって本当にいいアイデアだなぁって。引っ越しだと、すごく準備がかかるから、1年に1回やるにしても、働く場所が自由だったりだとか、そういう特殊な人じゃないとなかなか難しいんですよね。……そう考えると海外に行くって、割と手軽にできるし、すごくいいなぁって。とくに知らない国へ一人で行くっていうのは、すごくハードルが高そうに思うかもしれないけど、実際に計算してみると、ものすごくお金がかかるわけでもないんですよね。

俣野:そういうときは、真っ先にスケジュールを確定させるというのが、一番のコツですよね。引っ越しにしても先に日程を決めてしまえば、値段とかも交渉しやすいですしね。

MB:それと、いつやるかって先に決めとかないと、人間って弱いんで簡単に止めちゃうんですよね。副業に関しても、まさにそうだと思うんですよ。

俣野:そうだよね

MB:だって副業をしようっていう人は、その時点でもう本業で飯が食えてる状態なわけだから……。

俣野:……またいい話が出てきましたね(笑) これもすごく大事なんです。ていうのは、僕はよく「仕事に逃げる」という表現をするんですけど、これはMBさんが今おっしゃったように、自分が飯を食えてる空間、要するに生かされてる空間があると、新しいことに挑戦しようとしても、今いる場所が逃げ道になっちゃうんですよ。「ちょっと忙しい」「また今度にしよう」とか言って。そういう時って、人間は強制力が働かないですよね。

MB:現状維持の力が働くんだと思いますよ。「もう本業で食えてるから」とか、いろいろ理由を探しちゃうんですよね、あるいは「俺には向いていないんじゃないか」とか「これだとダメなんじゃないか」とか、あらゆるダメな要素を掴んできて、「やっぱり本業に戻ろう」ってなっちゃうんですよね。それを避けるために、何らかのルール付けをしておかないと、なかなか先に進めないんですよね。……動き出してすぐ、一週間や一か月はなんとかなるかもしれない。でも、そこから先が続くかというと、続かなかったりするんです。

俣野:そのためには、とりあえずスケジュールを決める、箱を決めるということがあるじゃないですか。でも箱を決めるっていっても、何も船や球場を借りるとか、そういう話じゃないんですよ。例えば、今までの自分だったら絶対に入らないようなコミュニティに所属してみるとか、そういうアウェイな環境に飛び込むっていうのでもいいんですよ。だって、絶対に緊張するじゃないですか。さっき話した海外旅行の話でも、今まで行ったことのない知らない場所に行くとなれば、絶対に緊張すると思うんです。その緊張した時に、普段は眠っているサバイバル本能が発揮される。生きようという力が、遺伝子レベルで出てくるというか……。

MB:僕がよくする例えなんですが、バカ高校のトップよりも頭のいい高校のビリッケツのほうが、能力は伸びやすいんですよね。要は頭のいい高校だと、自分の周りの人間ができてるから、自分がダメだとなんとかレベルを合わせなきゃっていう意識が働くんです。

僕がまだショップスタッフをやっていた頃なんですけど、20万円ぐらいするドラッカーのセミナーに行ったことがあるんです。2日間で20万円もするセミナーなんで、周りは50歳ぐらいの結構ないい地位に就いてそうな人ばかりなんですよ。そんなところに、20代そこそこの若造が借金をしてまで参加してるんですけど、話の内容が何も分からないんですよね。でも「頑張らなきゃいけない」って思って、もらった教材をどう活用すればいいんだろうだとか、自分の仕事にどう当てはめればいいんだろうって、セミナーが終わった後もずっと考えたり……。でも、そんな経験が結果的に副業のアイデアを得るきっかけになり、今やってる仕事にも繋がっていたりするんです。

俣野:いつもいる環境とは全然違って、かつ自分よりレベルが少し高い場に身を置く。これって自分の能力を開花させるうえで、不可欠なことなんですよね。



※ご購入後、約3倍のボリュームで続きをお楽しみいただけます。

●自分の現状や常識への疑問が起業への第一歩

●「副業」から「起業」へのステップアップ

●俣野成敏とMBが目指す究極の自己像とは



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