大原さんちの九州ダイナミック vol.006

vol.006(2012.3.2)

目次

ラナウェイ九州

今週の子ども

東京濃い店アジる店

佐世保の休日

ひらきなおって行こう!

Q&A!



003

いざ出漁!

家族で九州に完全移住してから8カ月以上が経って、ふと思いました。

今はありがたいことに、私もダンナさんもそれぞれマンガ家・ライターとしてのお仕事をいただいている。 けれども所詮はフリーランスの身、いつ仕事がなくなってもおかしくはない…。

そんな気分は病的な心配性でもあるダンナさんも同じだったようで、新聞の折り込みの求人広告を真剣に見たりしています。

しかし、佐世保もほかの地方都市同様、不景気の波が高い上に、当年とって43歳になり、とくに手に職があるというわけでもないダンナさんが正社員になれるような職場は皆無に近い状態。

「もう船に乗るしかないか…」

なんて感じだったのですが、先週…。

隣町で獲れるシロウオは、初物だったら一合(約400匹)1500円、シーズンを通しても500円~1000円ほどで売れるとのこと。

「多いときだと一日2~3時間の漁で一升~二升は余裕で獲れるらしいよ」

ということは、一日の漁で1万円~2万円もの上りがあるということじゃないですか!年間の入漁料は5000円。 これはなかなかいい仕事では?

「というわけで、日曜にさっそく下見させてもらうことになったからみんなで行くよ」

恐るべしダンナさんの飲み屋人脈。 私たち一家は、さっそくシロウオ漁が行われているという佐々川へと車をとばしました。

海から産卵のために川を上ってくるシロウオを狙う漁は、満潮までの2~3時間が勝負。 すでにたくさんの方が漁に勤しんでいます。

さっそく、だんなさんが飲み屋で知り合った方の案内で、彼のお父様が漁をする足場へとお邪魔しました。

「今年はまだ水温が低くてシロウオが少ないらしい」

ダンナさんがボソッとつぶやきます。 顔には明らかに失望の色が広がっています。

しかし、東京にいる時分から生物を捕らえることが大好きだった子どもたちは大喜び。 お父様の性格が温厚なのをいいことに、網を握り勝手に手伝いを始めてしまったりして…。



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