季織亭@代々木八幡にて、塩&小麦そばつけ。
本年3月、代々木八幡の住宅街に劇的な復活を遂げた経堂の名店。
新しい店舗の場所は、代々木上原駅と代々木八幡駅の中間地点近傍。閑静な住宅地のド真ん中で、民家をそのまま活用する形で営業している。
ここに店舗があることを知らなければ、ほぼ100%気が付かないであろう場所であり外観だ。
3,800円で3種類の麺メニュー(それぞれ麺量50g)が楽しめる「手打小麦そば懐石」も、ラーメン好きの中で好評を博しているが、やはり、私がオススメしたいのは、アラカルトメニュー。
『塩』は、スープから具に至るまで全てキジ(雉)を使用。
食味が上品で薫り高く、それでいて、うま味に落ち着きを感じさせる「雉」。
高度な調理技術がなければ、持ち味を十分に引き出すことがままならない「雉」を活かし切ったスープ、具のクオリティの高さは圧倒的であり、食べ始めから食べ終わりまで、終始、鳥肌が立つほど。
出汁の滋養味で食べ手の箸を止めさせない稀有な技量が尽くされた1杯は、もはや、堂々たる日本料理の一種と捉えるべきだ。
当然美味いが、それを超えた+αを感じる稀有な1杯。
ちなみに、雉は、アラカルトメニューの「醤油」か「塩」のいずれか一方に用いることとしているそう。詳しくは店主さんにご確認を。
あまりにも「塩」の水準が高かったので、引き続き『小麦そばつけ』をオーダー。
こちらは、経堂時代から完成度の高さに定評があった自家製麺を、心ゆくまで堪能できる1杯。
つけダレをシンプルに徹させることで際立つ、麺本来の味わい。
2杯目であったにもかかわらず、あっと言う間に完食してしまった。
事前に予約し席を確保することも可能だが、席が空いていれば、予約をしなくても入店することが可能。ラーメン好きの方はもちろん、そうではない方も是非、万難を排して足を運んでみていただきたい。
ラーメンという料理の新たな可能性を肌身で体感することができるだろう。