【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】米とサーカスダービー通り店

米とサーカスダービー通り店@錦糸町にて、鹿ラーメン。

本年7月20日、高田馬場に本店を構えるジビエ専門店『米とサーカス』に登場した、同メニュー。

今流行りの「鶏と水」ではなく、「鹿」と水だけで出汁を採った、異色中の異色作。鹿を用いたラーメンと聞いて私が思い付くのは、埼玉県八潮の『らーめんたか(現在は閉店)』くらいかな。

それくらいの寡聞さだと言えば、鹿を用いたラーメンがどれだけ貴重なのかがお分かりいただけるのではないかと思う。

それだけではない。なんと!こちらの「鹿ラーメン」。レシピを、都内を代表する人気店のひとつ『ムタヒロ』が監修しているのだから、食べに行かないわけにはいかない。

というわけで、機会を見計らって、早速足を運んでみた次第だ。

店舗の場所は、各線錦糸町駅から徒歩3分程度。ちょうど、「マルイ」の裏手あたりに相当する位置。

他にも様々なジビエ料理や昆虫を用いた料理が存在するが、初志貫徹。「鹿ラーメン」を注文することにした。

待ち時間は7分程度。

満を持して登場した「鹿ラーメン」は、まず、ビジュアルの美しさが尋常ではない。思わず惹き込まれそうになる優美な面立ちであり、口にするのが躊躇われるほど。

思い切って、スープをひと口啜ってみると、またまた驚愕!

結論から申し上げよう。これは美味い、美味過ぎる!

鹿の野性味を明確に表現することに成功しながらも、ジビエ特有の臭みは皆無。全くない。

仄かに利かせた塩のうま味と、野趣味を湛えながらもキリリと端整な出汁のコラボレーションは、お世辞抜きに極上の動物系清湯そのものだ。

麺も、スープをよく拾い持ち上げる「このスープにしてこの麺あり」の逸品。

小皿の薬味(鹿肉のそぼろ、行者ニンニク、ネギ等)も、少量をスープに加えただけで、スープのテイストがガラリと変化。味変アイテムのお手本のような役割を全うしていた。

単なる鹿を使ったジビエラーメンの領域を超え、1杯のラーメンとしても充分、実食に値する。

未訪問の方は是非、一度足を運んでみていただきたい。大いにオススメだ。