安部首相がCEATECで語ったメルケル独首相からのお願い 立石泰則の「企業は人なり」第26号



「インダストリー4.0」とCEATEC 

家電見本市を止めると宣言した「CEATEC」が、IoTの総合展示会への「変身」を目指して10月4日から7日までの4日間、千葉の幕張メッセで開催された。

結論から先に言えば、登録登場者数は14万5180人で当初目標した15万には届かなかったものの、前年よりも1万2132人も増やしており、近年の減少傾向に歯止めをかけることには成功したといえよう。

出展者数は648社・団体(前年比で117社・団体増、22%増)で、とくにイスラエルやインドなど注目地域の海外ベンチャーを手厚く招いたこともあって、出展ベンチャー企業数は139社・団体と前年と比べて2.5倍増となっていた。

幕張メッセの展示会場でも、メーカー各社は自社のブースでアピールしたい製品(ハード)を自由に展示するといった傾向よりも、テーマに沿ったものになっていた。例えば、会場は「社会」エリア、「家」エリア、「街」エリアなどと区分けされ、そのテーマに沿った展示、それもIoTに関連づけた展示を各社心がけていた。

ベンチャー企業に関しては、「特別企画」エリアの「ベンチャー&ユニバシティエリア」に集められ、小さいながらも独自のアイデアで勝負する熱気のこもった展示会場になっていた。

CEATEC会場での詳細な展示内容や様子は、次号からルポライターの立石輝氏が連載でレポートする予定なので、ここでは概略に止める。

なお、前年まで主に部品メーカーが集められていた展示場は、改めて「CPS/IoTを支えるテクノロジ、ソフトウエア」エリアとしてまとめられていた。

CEATECの「変化」ないし、どのように進もうとしているかを端的に表したのは、開幕前夜に開かれたオープニングレセプションの場であったろう。それまでは幕張メッセ近くのホテルで開催されていたが、今年はビジネス街の中心・丸の内にあるパレスホテル東京に、その場所を移しての盛大なレセプションとなった。

出展企業・団体の幹部はもちろんのこと、政府、在日各国大使館、業界関係者などの国内外のエグゼクティブが約700名も出席したからだが、なかでも注目すべきは安倍首相が出席したことである。歴代首相の中でCEATECに出席してスピーチをしたのは、安倍首相が初めてである。そのうえ、スピーチで重要な事実を披露した。

前年4月、ドイツを訪問したさい、安倍首相はメルケル首相と会談したが、その内容の一部を明らかにしたのである。メルケル首相が国を挙げて進めている「インダストリー4.0」のパートナーに日本になって欲しいと申し出たことに対し、その場で応じる旨の約束をしたこと、それ関する契約を先日交わしたことを明らかにしたのである…。



【目 次】

1.はじめに 切り捨てる勇気

2.コラム「深眼」   還暦を過ぎると……

3.時々刻々      「インダストリー4.0」とCEATEC

4.ルポ「現代の風景」 ソニーストア銀座(2)



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