【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】中華そば満鶏軒

中華そば満鶏軒@錦糸町にて、鴨中華そば(塩)&鴨雑炊丼(小)。

2016年1月に錦糸町にオープンし、真鯛を惜しげもなく用いた鮮魚ラーメンを提供する店として、瞬く間に全国区クラスの人気店にまで上り詰めた『麺魚』。

そんな『麺魚』を率いる店主・橋本氏が、本年4月24日にオープンさせた待望のセカンドブランドが『中華そば満鶏軒』だ。

店主は、千葉の人気ラーメン店『まるは』グループのほか、和食の世界で腕を磨いた経験もある、万人が認めるすご腕。

今回の店舗では、鳥の中でも独特の食味が演出でき、工夫次第でどこまでも面白くなるからと、素材に「鴨」を選抜。

鴨が持ち合わせる豊かな魅力を、ありのままの形で表現したいと、スープに用いる素材は鴨と水のみというこだわりようだ。

鴨の丸鶏を6時間かけてじっくりと炊き込んだスープに「岩塩」をオン。

鴨の滋養味を徹底的に表現しようとすれば塩ダレさえ邪魔になると、試行錯誤の末、岩塩を使うことを決断。

加えて、油まで丸鴨から抽出されたものを採用。私が知る限り、ここまで鴨を突き詰めた1杯は同店をおいて他にない。

もちろん、同店の1杯の魅力はそれのみに止まるものではない。

仕上げにフォアグラ油を数滴垂らすことで鴨の風味を一層増幅させ、訴求力に満ちたうま味を構築するなど、これまで店主が培った経験に基づいたギミックも冴えわたる。

麺を啜り終えた残りのスープを注いでいだたく「鴨雑炊丼」も、『満鶏軒』の魅力を味わい尽くすためのマストアイテム。

刻み鴨チャーシューに加え、米までバーナーで炙って提供される珠玉の一品だ。