拉麺時代遅れ@水海道にて、すラーメン。
店主が提供するラーメンの杯数は、1日当たり約20食。
加えて、月曜の定休日のほか、不定休として、雨の日、風の強い日、暑い日、寒い日、体調の良くない日には店を空けないという、超・高ハードル店舗。
言うまでもなく、この「不定休」というのが実に曲者で、これまでも、数々のラーメン好きが「不定休の壁」に阻まれてきたところ。
そんな情報はもちろん私の耳にも入ってきており、訪問を躊躇っていたところだったが、この度、私の知人から「『時代遅れ』は月曜に必ず休むので、定休日の前日にあたる日曜日は、比較的休まずに営業する」という話を入手。
「確かに」と首肯できるところがあったので、勇躍訪問。
さて、前後が逆になった感があるが、こちらの『時代遅れ』は、鬼怒川の対岸に佇む『人生』の創始者(『人生』の現店主の親御さん)が独りで店を切り盛り。
高齢の店主が、利益を上げることはあまり考えずに趣味的に始めた1軒と考えれば、しっくり来るのではないかと私は思う。
営業しているかどうかは、『人生』と同様、信号で知らせるシステム。
営業している時には「青」、営業していない時は「赤」。もちろん同店の場合、赤く光っている時間の方が遥かに長いかもしれないが。(仮に営業したとしても、1日に20杯程度しか作らないので、休日等は1時間程度で店が閉まる。)
ここまで「お膳立て」をされると当然、期待値を上げて臨まざるを得ない。
私が足を運んだ日は、営業開始から15分で既に10名の客が店に滞在しているという情報あり。「一刻を争う」と確信し、最寄りの水海道駅からタクシーに乗って訪問。
何とか間に合い「すラーメン」を注文。戴く前に、ホッと胸を撫で下ろした(笑)。
店主の所作をカウンター越しに眺めること5分程度。
登場した「すラーメン」は、うん、これは美味い、美味過ぎる!!
『人生』のスープに似ているかと思いきや、テイストは案外異なる。
芳醇かつ深い甘みが特徴的で、ひと口啜り上げる度に、スープのうま味の粋が堪能し尽くせる仕掛け。
強いて言えば、この甘み。兵庫県のご当地麺である「播州ラーメン」の甘みに似ている気がしないでもないが、少なくとも、同店の近隣ではお目に掛かれないテイストであることも、すこぶる好印象。
このスープに合わせている麺も、ツルンと滑らかな啜り心地が秀逸。
想像していた以上に『人生』の1杯とはテイストが違ったが、これはこれで「アリ」というか「大アリ」。
もちろん、スープの一滴に至るまで完飲。
機会があれば、また足を運んでみたい。店主の接客も好感が持てるものであり、素直にそんな気持ちを抱くことができた。
ごちそうさまでした。