今回はリオデジャネイロ五輪が開催されたばかりのブラジルでジルマ・ルセフ大統領(68)の罷免を仕掛けた裏の勢力に注目します。
ルセフ氏といえば2011年に国民から熱狂的支持を受けて登場したブラジル初の女性大統領。愛くるしい笑顔が印象的ですが、じつは彼女はブルガリア移民で20代前半に軍政に反対して逮捕、屈辱的な拷問を経験した「鉄の女」なのです。
それが14年10月に再選後あれよあれよという間に停職に追い込まれ、リオ五輪招致の立役者だったにもかかわらず開会式にさえ出席できませんでした。そしてとうとう8月31日、上院で罷免が決定したのです。
地元マスコミでずっと報じられてきた転落の理由は、世界的不況の影響によるインフレ、失業など経済状況の悪化と社会保障関連予算の不正執行の疑い。とりわけ大統領が国家会計を不正操作したという疑惑でした。昨年3月には大統領弾劾を求めるデモが全土に広がり170万人以上が参加したといわれています。それを受けて下院で弾劾手続きが開始され、先月末に上院で罷免が決まりました。
しかしどうも実態は…