「アジアのトランプ」ロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン大統領 蟹瀬誠一の「ニュースを笑え」2016年9月10日号

いやはやトンデモナイ人物がリーダーになったものである。といっても米国共和党大統領候補ドナルド・トランプではない。「アジアのトランプ」と呼ばれるロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン大統領(71)のことである。

もっともご本人はトランプに例えられるのは不満で、「トランプは偏見の塊だが、私は違う」とご立腹。どうもコミックヒーローにちなんだパニッシャー(必殺仕掛け人)とか米ハードボイルド映画の主役で有無を言わせず悪人を撃ち殺す刑事ダーティハリーと呼ばれるほうが気に入っているらしい。

それはそうだろう。トランプよりさらに過激な「犯罪者と汚職官僚は皆殺しだ」「犯罪者はまとめて殺し、マニラ湾に沈めて魚の餌にしてやる」などの暴言がウケて今年6月に大統領に就任しているからだ。それ以来、麻薬事件がらみの殺人件数だけでも1800件以上だとフィリピン警察当局が公表している。

 そんな露骨に人権や法を無視した状況にも拘わらず…

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