【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】中華そば梟

中華そば梟@蓮沼にて、中華そば&懐かしの固ゆで玉子。

本年6月1日にオープンした新店。

数々の実力店で腕を磨き、ラーメン食べ歩きも精力的に行う凄腕。そんな店主が、ようやく構えた自分だけの城が、こちらの『梟』だ。

現在、店主が手掛けるラーメンは「中華そば」と「辛いそば」の2種類。

同メニューのコンセプトは、昔懐かしい「昭和」なラーメンでありながら、今っぽさも感じられる1杯。

数多くの味の引き出しを持ちながら、あえてオーソドックスな中華そばを選んだところに、店主の自店に対する覚悟と気概がほの見える。

看板メニューは、画像の「中華そば」。

スープの主役は、鰺(アジ)の煮干し。

香りだけで客を恍惚の境地へと導く鯵の出汁は、啜り上げた瞬間、しっぽりと枯れた和風味が、味覚中枢を心地好く刺激。

そんな煮干出汁を優しく包み込む丸鶏の淡い滋味も、好きな人にとっては堪らないものだ。

序盤は、煮干しの存在感をひたすら前面へと押し出し、中盤以降は、カエシ・ミョウガ・丸鶏と鯵とが相剋。味わいの振れ幅の大きさが、ダイナミックな食べ口を生む。

派手さこそあまり感じられないが、つぶさに吟味すれば、確かな技術に裏打ちされたギミックが随所で光っていることが判る。

「これは美味い!」と、素直に褒め称えることができる、いぶし銀の良杯だ。