アンジャッシュ渡部、マッチの復帰へのBCP的対処 ~復帰への道のりに欠かせないもの

年末恒例「ガキ使・笑ってはいけない」に活動自粛中の渡部さん出演というニュース。近藤真彦さんは不倫騒動でジャニーズ事務所から処分を受けたというニュース。スキャンダルと謝罪会見を危機管理の視点で見てみます。

・mineコラム「アンジャッシュ渡部のリスク評定」

アンジャッシュ渡部さんの事件が起きた今年6月、マスコミからもコメントを求められましたが、結果として謝罪会見せず自粛に入ってしまったことで、私は本mineにて「アンジャッシュ渡部のリスク評定」

https://mine.place/page/997c77ee-7930-4f16-976b-7614806696f5

というコラムを書きました。

要は、ユッキーナさん同様に、逃げ切りは無理。芸能界に戻るつもりならマスコミの袋だたきという通過儀礼は不可欠ということです。マスコミが正しいとか、不倫はケシカランという倫理的理由ではなく、危機管理上、反発のエネルギーを残したまま芸能界復帰は無理だという根拠です。

私はテレビはじめマスコミからコメントを求められた際に、一度も倫理上の意見を述べたことがありません。それは私の専門性が戦略コミュニケーションであり、他人に倫理観を問うような立場では無いからです。常にBCP(Business Continuity Plan)の視点で、正しいかどうかではなく、「どうすれば再び芸能活動などビジネスを再開できるか」を解説しています。

上記コラムで書いたように、芸能界位置エネルギーを下げることからも逃げてしまった渡部さんは、「笑ってはいけない」という最大最強の復帰の機会をも危ぶまれるようなリスクを背負ったままなのです。さっそくネットニュースには批判が嵐のように集まっています。果たして年末特番での禊は可能なのでしょうか。

・大御所マッチの人生観

年下の一般女性との不倫がスクープされ、所属するジャニーズ事務所から活動自粛が発表された近藤真彦さんですが、やはりマスコミの前に出ることはなく、今のところ沈黙が続いています。

倫理上ではなく、BCP視点でいえば明らかです。再び芸能活動をしたいなら謝罪会見は欠かせません。ただ、近藤さんのように大御所の立場、もう芸能活動はしなくて良いなど、人それぞれ人生における目標は違います。BCP的視点とは倫理上ではなく、ビジネスを続けるのか続けないのかによって判断されます。

近藤さんが、もはや芸能界に未練なしと言い切れるのであれば、50代後半となった今、このまま無期限で芸能活動をしないのは一つの選択肢でしょう。多くの人は生活のため、そんな悠長なことは言っていられないでしょうが、大スターだった近藤さんは一般人でも、普通の芸能人でもありません。静かに余生を送るという行き方も、個人の選択肢だろうと想像します。

・芸能界の禊ガー たけし/松本

スキャンダルを起こした芸能人が禊として復活する上で、昔からバラエティ・お笑い番組は最強の存在でした。古くは宗教活動で霊感商法に関与したと芸能活動から遠ざけられた飯星景子さんをウルトラクイズに登場させ、「優勝者には飯星さんから壺が贈られます」とド直球でおちょくったビートたけしさん。不謹慎きわまりなく、今のテレビでは無理かも知れませんが、バブルの余韻も残る、もう20年以上昔となった90年代初期。ビートたけしさんが紛れもなく芸能界浄化装置として、スキャンダルを昇華させていました。(ちなみに熱川バナナワニ園でのワニクイズ、桜金造さん、そのまんま東さんの対決は死ぬかと思うほど笑った)

今ではやはりお笑い界の大御所となった松本さんと、年末特番の「笑ってはいけない」シリーズで、数々のスキャンダル有名人が登場しています。ゴーストライター事件でご本人に同情も寄せられた作曲家の新垣隆氏、不倫スキャンダルの原田龍二さんなど、お笑いの力は絶大です。

そもそも人間のくだらなさ、ダメさ、低俗さをも受容するお笑いと、スキャンダル浄化の相性が良いのは当然なのかも知れません。古典落語の与太郎話同様に、ダメな部分含めて人間の性(サガの方ね。ややこしい)だという芸人の方々の姿勢だと思います。

・本日の結論 芸能界に戻るなら会見

謝罪はテクニックではありません。危機管理です。事業活動上障害となる要素をいかに減らせるか、倫理上ではなくビジネスの視点で考えるなら、渡部さんが謝罪会見をしなかったことは致命的失敗だと思います。

年末特番をオンエアするのであれば、今からでもボコボコに集中砲火を浴びるような謝罪会見をすることで、批判エネルギーを減じることは選択肢だと思います。

特に渡部さんには、芸能界一の常識人であり、批判エネルギーを御する天才を持つ有吉さんがいます。謝罪で火だるまになった後、スキャンダル前から渡部さんをコキおろして爆笑を取っていた有吉さんからボロクソにいじってもらうことができれば、今の流れは変わっていたのではないかと思います。