【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】麺屋久仁衛

麺屋久仁衛(くにえ)@新井薬師前にて、醤油ラーメン。

オープンは本年4月16日。

ロケーションは、都内でラーメンを食べ歩いている方であればピンと来る人も多いだろう、ラーメン店が数回入れ替わっている場所。

西武新宿線新井薬師前駅から徒歩5分強程度と駅近なのだが、意外にも、人の流れがあまり良くないロケーション。

この場所に出店する店舗は、これまで誰の目にも判るようなオリジナリティを打ち出したラーメンを提供する店が多かった。

新井薬師周辺は古い街並みが残る、どちらかと言えば新奇性を好まない土地柄。そのような事情も相まって、店舗が定着しなかったのかも知れない。

さて、今般オープンした『久仁衛(くにえ)』は、これまでの店舗とは打って変わって、正統派バリバリの鶏清湯を手掛ける1軒。

鶏のドッシリとした滋味と華やかな薫りが見事に両立したスープは、スープに浮かぶ鶏油の重厚な風味も加味されて、白河ラーメンを巧みにアレンジしたような仕上がりとなっている。

うま味を浮き足立たせず、キッチリと適度な匙加減で収束させている点は高評価に値する。

店主の手腕の高さが垣間見えるハイレベルなスープだ。

このスープに合わせる麺は、ピロピロっとした食感が心地良い平打ち仕様。啜り上げれば、麺を食べる楽しみを味わうことができるだろう。

面構えはオーソドックスでありながら、麺などに店主のオリジナリティが感じられる佳作。

今回は長続きしていただきたいと、切に願う次第だ。