こんにちは!
大村大次郎です。
次から次へと台風が来ていますね。最近の台風は、真上を通っているのにほとんど被害がなかったり、かなり離れているのに、滅茶苦茶被害が大きかったりと、なんか予測がつかないことが多いですね。くれぐれもご注意くださいね。
では本題に入りましょう。今日は「アパート経営は本当に相続税対策になるのか?」「ノルマに追われる国税調査官」の2本立てです。
●アパート経営は本当に相続税対策になるのか?
昨今、新聞やネットなどで、アパート経営を薦める不動産屋の広告がかなり目につきます。そして、その広告には必ず「相続税対策のために」といううたい文句があります。
そのためか、サラリーマンなどでアパート経営をする人が増え、2016年にはアパート向けの融資が過去最高を記録しました。つまりは、ローンを組んでアパートを建てる人が激増したわけです。1年ほど前から、金融庁の監督が厳しくなり、アパート向け融資は少し減っているようですが、それでもかなりの高水準です。おそらく、これは、相続税対策のためにアパート経営を始める人が多いからだと思われます。
平成27年1月から、相続税の課税対象が広がりました。それまでは、最低6千万円以上の遺産がないと相続税はかかりませんでしたが、平成27年からは、3600万円以上の遺産があれば、相続税がかかってくる可能性がでてきました。アパート経営をする人が増えたのも、この相続税の課税対象拡大が呼び水になっているようです。
このアパート経営は、不動産会社の言うように本当に相続税対策になるのでしょうか?今回は、このことについて掘り下げて考えてみたいと思います。
まず「アパート経営が相続税対策になる」と不動産会社が主張する根拠を説明しますね。相続税の対象となる遺産というのは、「時価」が原則となっています。だから、土地や建物が遺産だった場合にも、その土地、建物の時価が、相続税対象資産ということになります。
が、土地には、若干の抜け穴のようなものがあり、事業などに使われている土地は、相続税としての評価額を割引してくれるのです。アパート経営のための土地は、200平方メートルまでは相続税の評価額が一般の土地よりも50%も減額される、ということになっています。
たとえば、1億円の土地を買ってアパート経営をしていた場合、経営者が死亡し、親族がその事業を引き継げばその土地は5千万円として評価されるのです。
さらに、ローンを組んでアパートなどを購入すれば、その分、相続税の対象となる資産が減額されます。相続税の対象となる相続資産というのは、資産と負債を差し引いた残額に対してかかってきます。だから、アパートやマンションの建物を購入するときに、銀行から多額の借金をすれば、その借金分が相続対象資産から差し引かれるということです。
たとえば、1億円の資産を持っている人が、1億円の土地(200平方メートル以下)を買い、5千万円を銀行から借りてアパートを建てたとします。すると、土地の相続税の評価額は、1億円の半分の5千万円となります。
またアパートの建物の資産額は、年を経るごとに減ります。