相続税がゼロになる生命保険/海外移住を装った脱税 『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』

Shutterstock/Sylwia Brataniec



9月、10月は、けっこう祝日がありますね。最近、祝日が一気に増えた気がするのは、気のせいでしょうか。

私は祝日だからといって仕事が休みというわけではないので、祝日に気付かない時もあります。夕刊が来なくて新聞販売店に電話をしたら、「今日は祝日ですよ」とキレ気味に返されたこともあります。そりゃあ、せっかく祝日で休んでいたのに、変な電話かかってきたら怒りますよね。

まあ、とにかく、日本人は働き過ぎなので、祝日が増えるのはいいことだと、思います。休日が増えた方が、景気もよくなりますからね。

では、本題に参りましょうか。

「海外移住を装った住民税の脱税」

9月28日に次のような記事がネット配信されました。

ブラジル転出装い脱税=元会社役員の親子在宅起訴-名古屋地検





 ブラジルに転出すると虚偽の届けをし、3年分の住民税計約1億7400万円を脱税したとして、名古屋地検特捜部は28日、地方税法違反などの罪で愛知県豊橋市の企業グループの山本清次(80)、長男の晴久(53)両元役員を在宅起訴した。



 特捜部によると、2人は「税金を払いたくなかった。1997年ごろから継続的にやっていた」などと供述し、既に納税したという。豊橋市内で人材派遣会社などを経営し、複数の会社から役員報酬を受け取っていた。





 起訴状によると、2012~14年の各年末、市役所にブラジルへ転出すると申し立て、13~15年度の確定申告書に同国の住所を記載。1月1日現在の住所地を基準に課される県民税と市民税を免れたとされる。(2016/09/28時事ドットコム)

解説

この脱税事件は、海外に居住地を移したと偽装して、住民税を逃れたというものです。

「住民税」というのは、以前からこの手の脱税には、弱いのです。

住民税というのは、居住している自治体にかかってくる税金です。徴収を担当するのは、市区町村の役所です。

市区町村の役所というのは、自分の区域内に住民票がある人のみを、住民サービスの対象としています。

普通の転出の場合、他の市区町村の管轄に移りますので、前の居住地の市区町村は、その時点で住民サービスをすべてストップします。それは税金の徴収も、同様です。

そのため、一旦、住民票を移してしまうと、それ以上、その人を追跡するようなことはないのです。

だから、海外に住民票を移した場合、「管轄する市区町村がない」ということになり、脱税していたとしても、どこの市区町村も「管轄外」ということで追いかけないことになってしまうのです。

今回、脱税が発覚したのも、この親子が、豊橋市から転出した後も、豊橋市内で大々的に事業経営をしていたからです。この親子が経営していたのは、かなり大きな企業グループであり、ここまで大々的にやっていれば、さすがに市役所の方も気づくだろう、ということです。自分の市に住んでいる事実があれば、自分の市の管轄になりますので、市の担当者も摘発に動いたのでしょう。

が、もしこれが事業家ではなく、投資家などだった場合。こっそり、住民票だけ海外に移してしまえば、ばれないことも多いはずです。実際このようなことをしている富裕層は、けっこういると思われます。

海外に移住することが珍しくなくなった昨今、この手の脱税は増えると思われます。

そして、この脱税は、住民税だけじゃなく、相続税の脱税にも「使える」のです……



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