●億ションが一瞬で売れてしまう理由
都心の一等地に建てられたマンションが、発売と同時に完売したというようなニュースを時々耳にします。
たとえば、2015年の年末から2016年春にかけて、「パークコート赤坂檜町ザ・タワー」というマンションが完成し、販売されました。
地上44階建ての超高層タワーマンションで、戸数は322です。場所は港区赤坂9丁目の東京ミッドタウンに隣接しているという超一等地です。売主は、三井不動産レジデンシャルです。
なにからなにまですべて「超一等」という感じのマンションです。
もちろん、値段も超一等です。
最高価格の部屋はなんと15億円です。
そして、マンション全体の平均坪単価(3.3平方メートルあたりの価格)は約1000万円なのです。
このマンションは、バブル以降の最高額のマンションだとされています。
しかし、このマンション発売するやいなやすぐに完売したということです。
昨今の高級マンションは、中国人や台湾人が購入しているというイメージがありますが、現実には、さほど多くはないようです。
購入者の大半は、日本人であり、しかも投資ではなく、住居やセカンドハウスとして購入しているものが多いそうです。
つまりは、このような超高級マンションを、「買って住もう」という人がけっこう多いということなのです。
なぜこのような超高級マンションが、瞬時に売れるのでしょうか?
いくら高級といっても、所詮マンションなので広さは限られています。
どうせなら、そこまで一等地じゃなくても、便利のいいところに豪勢な一戸建てを買った方がよほど「金持ち感」は味わえるんじゃないか、と貧乏人の発想では思ってしまいます。
しかし、高級マンションが売れるのは、単に「住居」としての価値だけではないのです。資産管理という面において、高級マンションは非常に優れているのです。もっと有体にいえば、相続税対策、固定資産税対策になるということなのです。
どういうことか説明しましょう
●遺産は金ではなく不動産で残せ
金持ちが、高級マンションを買う事の大きな目的として「相続税対策」があるといえます。
もともと遺産を「家」で残すことは、実は非常に相続税の上では有利になっています……。