麺屋さくら@住吉町にて、さくらラーメン&あえ玉1玉。
知多半島に数多く存在するラーメン店の中で、マニアから「必ず訪問すべきお店」と認識されている店舗が数軒存在する。
こちらの『麺屋さくら』も、そんな必食店のひとつ。
店舗の場所は、名鉄河和線・住吉町駅から徒歩3分程度と至便。
しかしながら、店前にアクセスしてからが問題で、私が足を運んだ土曜日の昼時点で、30名以上に及ぶ長蛇の列が発生。行列に加わってから退店するまでに2時間以上の時間を必要とする大行列店なのだ。
複数の店舗に足を運ぶことを前提とした食べ歩き時において、2時間待ちは、率直に申し上げて相当な痛手。が、行列客の構成(独り客が多い。これは味が良いことの証左)、店舗から漂う実力店独特のオーラに惹かれ、特攻を決断。
待つこと90分を超えた頃にようやく店の扉の前に到達。入店を許され、券売機で基本メニュー「さくらラーメン」の食券を購入。
清潔感のあるカウンター席に着席。
オーダーを受けてからの厨房のオペレーションは迅速かつ的確で、5分程度の待ち時間で注文の品が完成。カウンター上に供された。
まずは、スープをズズっと啜り上げる。
うん、これは美味い、美味過ぎる!
豚肉を丁寧に煮込んだ出汁と焼きアゴの和出汁とをブレンドしたスープは、素材のうま味が口内で輻輳する圧巻の味わい。
特筆すべきは、アゴ出汁の風味の演出の仕方。俄には似たような味が思い浮かばないほど独特だ。
スープの熱感を巧みに活用し、重厚な豚のコクとのリンケージを図るギミックも、お見事のひと言。
単なる添え物の域を超え、スープの風味をキリリと引き立てる香ばしいゴマの存在感も、通常の胡麻ラーメンにおけるそれとは、明らかに一線を画していた。
14,000杯の実食により蓄積した経験でさえ、この1杯の前では役に立たず。いわゆる「え?こう来るの??」と驚嘆させられる斬新な味わい。
連食中であるにもかかわらず、気が付けば「あえ玉」を注文。
更に気が付けば、目の前のすべての丼を空っぽにしてしまっていた。
並びの時間を加味し期待値を上げて臨んだが、その期待すら大きく上回る結果。
万難を排し一定の時間を割いてでも、足を運ぶ価値がある優良店だ。