スポーツの不祥事~武田邦彦集中講座  日本の子供の時代の社会(1)

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◆「貴乃花親方の角界引退」はメディアによる国民の印象操作が行われていた

社会が崩壊するときに、最初はちょっとしたことから始まります。そしてその時には人間が融通性を持っていることが逆になって、崩壊を止められないのです。

その典型的な例が、ソ連のスターリンの登場と、その後約4000万人の人が処刑やシベリア送りで犠牲になったとされている((注)諸説あり、1億人以上から数100万人まで)。

事の始まりは1928年のシャフティー炭鉱事件で、破壊活動を行ったとして5人の技術者が銃殺刑になりましたが、事件自体は単純な技術のミスでした。それからというもの、次々と事件がでっち上げられ、それを庶民が支持し、デモでは女性が涙を流して「なぜ死刑にしないの!」と泣き叫ぶようになったのです。

そのうち処罰はさらにエスカレートして、共産党の上層部が支持したノルマを達成しなかったというだけでシベリア送りになりました。でも、このような大虐殺を支持したのは、実はデモに参加した女性のように「政府の宣伝に洗脳された庶民」だったのです。

私は今の日本が、このような残虐な社会に変貌する種をもっていること、それが成長すると、私たちの子供は安心できる社会に住めなくなると思っています。その兆候を2、3整理したいと思います。

平成29年11月、つまり昨年の九州場所の3日目の朝、日馬富士の暴力事件が露見して日馬富士は2連敗と一つの不戦敗で休場、そのまま引退して相撲界を去りました。すでに前頭8枚目の貴ノ岩は休場していて、不祥事の多い大相撲でも、けた違いの事件でした。

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