金目で行こう!「自分が変われない人」のための組織適合思考

新年度で組織が変わった方、新卒でも転職でも新入社員として新たな職場に入った方、新しい組織になれるのはなかなかたいへんなものです。中には適応障害で体を壊す人もいるほど深刻なケースもある問題。人や組織のせいにせず、「自分が変われ」というごもっとも過ぎるアドバイスがあふれていますが・・・



1.「自分が変われ」はごもっとも・・・・

「環境は変えられない。だから自分が変わるべき」というのはよくいわれる言葉です。おっしゃる通りとは思うのですが、そうそう自分が変わるというのも簡単ではありません。特に人格に関することは長年の人生で培われたものでもあり、変えるのは相当苦労すると思います。

「自分が変わる」ためには、イライラしない、他人の良い点を見る、自分が話す前にまず話を聞く、などなどすべてごもっともなことだと思います。ただそんなアドバイス聞いても「できりゃ苦労しねー」んですけどね。そもそもそんだけ人間が出来てたら恐らく今、こんな風にはなってなかったんじゃないかと、自分自身に思います。

子供のころ思い描いていた大人とは相当大きく違う存在になってしまった自分というものを、全否定も全肯定もしない年齢にはなりました。それゆえこうした人格や性格というものが、長い歴史・人生というスパンで培われたものであるゆえに、そうそう易々とは変えにくいとも思います。



2.西郷隆盛、回天の思想

西郷隆盛は幕末に勝海舟に出会って、倒幕を決意したといわれています。西郷の主(あるじ)である島津斉彬(なりあきら)が幕政改革に取り組んだ啓蒙的藩主だったということは、幕藩体制存続が前提だったということになります。しかし勝と会った西郷は、追い腹斬って殉死しようとまでした主・斉彬の思考を超え、幕府そのものを無くしてしまう「回天」に目覚めたというのです。

思想の変化、転向は歴史上の人物も多々してきたように、恥でも何でもありません。むしろ歴史に名を残す大事をするような人ほど、目先の評判や体面を気にせず、堂々と思考を変えているのではないでしょうか。いや、ぬけぬけと手の平を返せる思考ができるからこそ大事をなせたのかも知れません。

歳を重ね、中年以上になればなるほど現状を変えることに抵抗感が生まれます。それは本能的な人間の姿勢であって、特別に頑迷ということではないのです。「変わること」への羞恥心や抵抗感があるのは普通のことだと認識するのは、人生を送る上で大切なことだと思います。



3.真剣に言い訳を考える

自分の変化への抵抗の元が自分自身だということは、シンプルですがやっかいです。当たり前ですが自分につくウソは全部バレているので、それだけ自分を納得させるためには真剣に取り組まなければなりません。

つまりウソやタテマエではなく納得できる「理由」が必要ということです。ではお金はいかがでしょうか。組織というのは職場であって、職場は給料というお金をもらえる場でもあります。お金が目的、金目というのは真剣に取り組むに値する理由になるのではないでしょうか。

お金以外の価値観で自分が納得できるものがあれば、もちろんそれでかまいません。私のようにフリーター生活が長い(安定収益のない社長はただのフリーター)と、目先の収入確保がすべてに優先されるので、キレイごとは言っていられません。

会社の存続すなわち自分の生活そのものですから、真剣に収益について考えます。つまり、目の前の人間関係やメンドクサイ調整すべては「仕事」なのだと思っています。当然それを解決したり改善できれば収益は続きます。お金としてのリターンは確実に得られます。

職場環境でのトラブルや悩みで自分が辞めるというのはもっとも簡単に取れる手段です。それだけに短気を起こして辞めてしまうという経験は、若い内にはあってもおかしくありません。しかし年齢を重ねると、短気は巨大なリスクになっていきます。現在は人手不足状況が続いており、転職も容易・・・・・・・・な訳がありません。



4.金目

最先端の技術やノウハウ、売上を確実に伴う顧客を個人的に持っている人でもなければ、どれだけ現在高収入でも、学歴や経歴が優秀でも、まず中年を好条件で採る会社はないでしょう。

いや、もう一つ汎用性のあるスキルがあります。職場の環境調整です。伸びている事業所でも人間関係や職場環境に問題があることは普通です。しかしビジネスが伸びている時に、そのような後ろ向きの業務に割ける人員はいないことが多いのです。

大企業はもちろん小企業であっても、メンドクサイ人間関係を取り仕切り、それを改善できたような実績はかなり評価されるでしょう。実際に中小企業ではそうした管理人材は皆無なところが少なくありません。「社長の右腕」といえばガンガン営業を伸ばすイメージがあるかも知れませんが、それはそれで重要なものの、社長に代わって職場を差配する真の管理能力があるなら、そうした人材は年齢を問わずに求められています。過去には最高60歳の方をそうした管理部門責任者として紹介したこともあります。

いかがでしょうか。職場に適合することはお金になります。それを今目の前の職場でするか、次の職場でするかはご自身が選べば良いのです。どちらにリスクがあり、どちらがより高い収入になるのか、ご自分の判断と責任の下、決断するのです。

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ここから先は有料になりますが、特段超絶なノウハウがある訳ではないこと、先にお断りします。ビジネスコラム読むだけで問題解決できるほど、実際の課題は簡単ではないこと、一読者としてよーくわかってますので。しかし毒吐きコーナー読みたい方はぜひご一読いただければ幸いです。(増沢)

5.コミュニケーション技術

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