「相続税より高い“隠れ相続税”とは?」「我々はなぜ“いざなぎ超えの好景気”を実感できないのか?」『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』

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こんにちは

大村大次郎です。

今年もあと2週間ちょっとになってしまいましたね。し忘れたことはありませんか?私は今年こそは年賀状を早めに書きたいところですが、雑務に追われ、まだそれどころではありません。おっと、この忙しい時期に無駄話をしている暇はありませんね。とっとと本題に入りますね。

今回は

「相続税より高い“隠れ相続税”とは?」

「我々はなぜ“いざなぎ超えの好景気”を実感できないのか?」の二本立てです。

「相続税より高い“隠れ相続税”とは?」

昨今の税制改正で相続税の基礎控除の最低額が3600万円になりましたので、ちょっとした資産を持っている人の遺産には、相続税がかかってくるようになりました。これまでは「相続税など自分には関係ない」と思っていた人でも、うかうかしておられないようになりました。昨今、一般の方向けの相続税対策マニュアルなどがたくさん出回るようになっています。実は、この相続税のマニュアル本などには、絶対に触れていない「隠れ相続税」というものがあります。それは「税理士報酬」です。相続税に関しては「税理士報酬」が非常に高いのです。相続税の税額自体よりも、税理士報酬の方が高くつくケースも、非常に多いのです。このことを触れている本はまずありません。なぜなら、相続税のマニュアル本のほとんどは税理士が書いているからです。

税理士としては、自分たちが相続税で荒稼ぎしていることは、一般の人に知られたくないわけです。税理士報酬というのは、あまり一般の人にはなじみがありません。自分で商売をしていないような人、普通のサラリーマンなどは、税理士と付き合うことはほとんどありませんからね。だから、どのくらいの相場も知らないものです。

相続税の申告書作成を依頼し、請求書が来てから、その高さにびっくりする方がほとんどだと思われます。だから相続税対策をするときに、相続税本体の税金を安くすることばかりを考えていても、税理士報酬のことをまったく考えていなければ、片手落ちになるのです。

●相続税ゼロでも税理士報酬20万円!?

相続税の申告というのは、普通の確定申告よりも複雑です。自分で確定申告をしたことがある人でも、とっつきにくいものです。だから、相続税の申告をする際には、大半の場合、税理士に依頼するようです。が、税理士に依頼するときの報酬というのが、バカ高いのです。相続税申告での税理士の適正報酬というようなものは決まっていませんが、税理士報酬の相場は、だいたい相続資産の0,5%~1%とされています。1億円の相続資産がある場合は、最低でも50万円程度になります。

また1億円を下回るような場合、最低でも0,5%程度かかります。だから、資産が5000万円くらいのギリギリ相続税の対象になるような場合でも、3~40万円の税理士報酬となったりするのです。

相続税では、基礎控除以上の遺産があれば、税額が出る出ないに関わらず、相続税の申告をしなければならないということになっています。だから相続税はゼロなのに、申告のために、税理士に頼むという人もかなり多いのです。

相続税額というのは意外に少ないもので、配偶者控除を使えば、相続資産がだいたい2億円までは相続税はかかりません。また相続人に配偶者がいない場合でも、家などがあれば、相続資産がだいたい5~6千万円くらいまでは、相続税はかかりません。しかし、税理士報酬は、相続税の額に応じてではなく、遺産の額に応じてかかってきます。税理士報酬には、相続税の控除制度は関係なく、あくまで遺産全体に対して、料金が決められるのです。

だから、2億円の相続資産をもらった遺族が、相続税ゼロの申告をする際に、100万円以上の税理士報酬を払わなくてはならなくなるようなケースもあるのです。

また相続税の基礎控除をギリギリ超えている4000万円程度の遺産でも、税理士報酬は20万円以上かかってきます。実際、平成28年に提出された相続税の申告書約13万7千件のうち、約3万1千件は税額がゼロなのです。つまり、相続税申告の約25%は税額が出ていないにも関わらず、申告だけをしているのです。そして、相続税の申告というのは、なかなか一般の人が自分たちだけでできるものではないので、かなりの件数で税理士に依頼しているものと思われます。

●ほとんどの場合、相続税額よりも税理士報酬の方が高い

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