なぜ、アシックスは牛に靴を売るのか? これからのDX、ここがキモ

こんにちは!

売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。

今号の特集は、「なぜ、アシックスは牛に靴を売るのか?これからのDX、ここがキモ」です。

それでは最後まで読んでくださいね。

■目次

… 1.今週の特集

「なぜ、アシックスは牛に靴を売るのか?これからのDX、ここがキモ」

… 2.ビジネスコラム:おすすめビジネス書

「だから僕たちは組織を変えていける」

… 3.著作・イベントのお知らせ

… 4.編集後記

第1特集

【なぜ、アシックスは牛に靴を売るのか?これからのDX、ここがキモ】

アシックスが人や動物の運動量を解析する、データビジネスに本格参入するとのことです。

中でも興味深いのが、牛の運動量を測定する、と発表したことです。

アシックスは、もともと、スポーツグッズのメーカーとして有名です。

そこに、ここのところ、TUNEGRID(チューングリッド)というシステムを使って、スポーツ競技や運動の記録を、簡単に記録・分析できるシステムを開発して、データを取って製品開発などに生かしています。

アシックスのホームページによると、「ラグビーやパラアイスホッケーなどのチーム競技は勿論、バドミントンやゴルフなどの個人競技、レスリングや剣道などの格闘技、高齢者のウォーキング実施記録など、スポーツや健康促進活動などに、幅広くご活用いただけます」とあります。

アシックスのシューズと、このチューングリッドを組み合わせれば、靴を履いてスポーツをしている間の運動量や、歩数が計測できます。

さらに、工場内での従業員の位置情報などを、記録して分析することで、働き歩いている状態を数字で見えるようにする、ワーキングソリューションシステムも開発しました。

これによって、工場内で無駄に動いていないかなど、生産性を上げることに役立ちます。

この技術、いわゆるIoTは、スポーツや、製造現場だけでなく、効率との戦いの物流倉庫や、飲食店、中食の製造などでも力を発しそうです。

今まではこのようにスポーツやビジネスなどの場面で、人間に使っていた仕組みを、今回は「牛」に使う、ということです。

日経新聞によると、狙いは搾乳効率の向上にあるとのこと。

牛の1日当たりの歩数や時間ごとの運動量を、見える化することで、「うちの太郎は、今日は少し元気がないな」などと早めに注意を向けることができます。

これにより、発情期がわかり、飼い主も最適なタイミングで手が打てる、ということです。

この開発背景には、中小企業ではどうしても、データ活用やITの導入での、ビジネスの効率化に不慣れだということがあります。

この社会課題を、ITとデータのソリューションで、サポートできるようにしていく、ということになります。

サービスを受ける企業側は、生産性が上がり、アシックス側もデータを定期的に提供することで、靴やグッズを販売するという売り切りの商売から、

継続して買ってもらえる、サブスクのようなビジネスになります。

そしてさらに、物販だけではなく蓄積されたデータと、その活用のノウハウは、模倣が困難な「知恵」として、社内に蓄積されます。

こうなると、他の会社に真似されにくくなるため、持続的な競争優位が保てるので、顧客の維持もでき、忠誠心が上がります。

つまりブランド価値が高まるのです。

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