こんにちは!
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「三井不動産はなぜ、ホテルのサブスクを始めたのか?模倣されにくい差別化の方法」です。
どんな製品やサービスも、いつかは陳腐化して、値引きをせざるを得ません。
いかにして、顧客から価値があると認識されるか、そのために何をすればいいのか、を、三井不動産の事例から学んでいきましょう。
それでは最後までじっくりと読んでください。
■目次
… 1.第1特集:マーケティング・ラボ
「三井不動産はなぜ、ホテルのサブスクを始めたのか?
模倣されにくい差別化の方法」
… 2.ビジネスコラム:
「ビジネススクール、教授の1日」
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【三井不動産はなぜ、ホテルのサブスクを始めたのか?模倣されにくい差別化の方法】
三井不動産が、ホテルに一定期間住むことができる、サブスクリプションサービスを、今年の2月に開始しました。
コロナ禍がまだ不透明な中、なぜ今、三井不動産がこの時期に、宿泊ビジネスにおいて、このような手を打ってきたのか、今後の目論見は何かを深掘りしていきます。
ホテルのサブスク「サブ住む」とは何か?
この長期宿泊サービスの内容に関して、三井不動産のホームページによると、「ホテル×住まいの新しいサブスクリプションサービス」というコンセプトでの、ホテルの定額制宿泊プランの販売です。
ただ、ホテルとはいうものの、「住まい」とある通り、1ヶ月単位での宿泊サービスとなるため、課金も1ヶ月単位です。
そこで、サブスクに引っ掛けて、「サブ住む」と題しているのも分かりやすくて良いと感じます。
提供サービスには、“HOTELどこでもパス”と、“HOTELここだけパス”、という2つのプランがあります。
“どこでもパス”の方は、三井不動産系のガーデンホテルズなどの中から、全国どこでも、好きなホテルに30泊できるというプランで、100名限定で販売されています。
価格は15万円プラス1泊500円の利用料から、と設定されています。
旅行好きの人や、いろいろなところに出張に行く人には、毎回別なホテルを比較しながら予約して泊まるよりも、かえってお得かもしれません。
また部屋の種類に関しても、追加料金を出すことでアップグレードも可能です。
“ここだけパス”の方は、1つのホテルにじっくり泊まるというプランです。
同じように30泊が1セットで15万円から、という料金体系です。こちらの方は、実際に一箇所に滞在するため、「住む」というイメージになります。
シーツ交換もあるため、ビジネスでの1ヶ月単位での、短期間の単身赴任などには、敷金礼金や家具の購入などが不要なことを考えると、金額的にもお得な場合もあり、かかる時間も節約できます。
東京ドームホテルの「サブ住む」の先にあるものは?
発表当初は「三井ガーデンホテル」などが対象施設でしたが、三井不動産が1月に完全子会社化した、東京ドームの運営ホテルが加わったことが発表されました。
もともとこのホテルでは、客室を使ったシェアハウスが運営されていましたが、さらに東京ドームの関連施設と連携した取り組みが、用意されています。
サブ住む新商品「CITYまるごとDOME(ドム)住む」とネーミングされているこのパッケージプランは、やはり30泊のプランで、1から2名で25万円から、3名だと30万円から、となっています。
このホテルは、東京23区の中心地にあり、仕事にも遊びにも便利な立地です。
ホテル内ではWi-Fiもつながるので、部屋を借りるより便利な部分が多そうです。
こういったホテルとしての利便性に加えて、滞在期間中には、さまざまな東京ドーム関連の施設を、優待利用できます。
天然温泉のラクーアというスパの入館が無料なること、東京ドームシティの遊園地にある、アトラクションズが乗り放題になります。
さらに、東京ドームホテル直営レストランで利用できる、レジャーチケットが15冊も付いている、「得10(とくてん)チケット」もついています。
それにしても、一度試してみたくなる企画です。
今の時代、リモートワークOKという会社も増えているので、価値のある企画です。