こんにちは!
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「なぜダイソーの商品があるセブンイレブンの売り上げは、他店舗より多いのか?」です。
セブンイレブンとダイソーの事例から、学んでいきましょう。
それでは最後まで読んでください。
■目次
… 1.第1特集:マーケティング・ラボ
「なぜダイソーの商品があるセブンイレブンの売り上げは、他店舗より多いのか?」
… 2.ビジネスコラム:
「成果を生む事業計画の作り方〜おすすめビジネス書」
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【なぜダイソーの商品があるセブンイレブンでは、他店舗より売り上げが多いのか?】
セブンイレブンが、100円ショップのダイソーと組んで、セブンイレブン店内で、「ダイソー」の売り場を本格的に展開していく、とのことです。
ダイソーの商品を売った店舗は、神奈川県に80店舗あるそうです。
商品ラインナップとしては、清掃グッズや、セットで100円の文房具、車のシートフックなどといった、通常はコンビニに置いていない商品が中心です。
他のコンビニにはこういった商品を扱っていない、ということもあり、セブンイレブンのダイソーが入っている店舗では、平均で、約1割弱の売り上げ増になった、とのことです。
買う側の顧客からすれば、コンビニに100円ショップが入っていると、わざわざ100円ショップとコンビニの、両方に行く手間が省けます。
また新型コロナの感染拡大で、以前と比べて、複数のお店を回るよりも、「できる限りいろいろなところにはいきたくない」「1店舗で済むなら済ませたい」と考える人も多くなりました。
セブンイレブンはこういった状況の変化をうまくつかみ、ダイソーを店内で展開しています。
また、売る側のセブンイレブンの立場でも、お客様が、100円ショップ商品目当てで来店しても、コンビニ商品をついで買いをしてくれます。
もちろん、この逆もあるので、売り伸ばしにつながります。
セブンイレブンではこれまでも、ブンプレミアムシリーズや、金のセブンイレブンといった、PB(プライベートブランド)に力を入れてきました。
これは小売業では、限定品やPBのような、「うちの店だけ」という特別な商品があると、その店に行く理由になるからです。
コンビニではセブンイレブンにしかないため、ローソンやファミマと差別化ができて、来店促進になるのです。
今回もまた、ダイソーが入ることで、100円ショップにしかない商品、たとえばボールペン五本で100円とか、スポンジが3個で100円、といったような商品が買いたくて、近くのコンビニに行けばあるのであれば、その商品を目がけて買いに来る、といったことが期待できます。
このように、お客様がその店に来る理由になる商品を、磁石が鉄を引きつけることにかけて、「マグネット商品」と呼ぶことがあります。
コンビニで言えば、おにぎりやお弁当などが、それにあたります。
今回、ダイソーが店内に入るということになれば、オフィス街では、3本100円のボールペンセットが、マグネット商品になるでしょう。
このマグネット商品を買いに来たお客様が、ついでにおにぎりやジュースを買っていってくれれば、売り伸ばしにもなるのです。
セブンイレブンでは、グループ会社のロフトの商品を扱っている店舗が、東京に10店舗あります。
ここでも同じように、「同じ文具を買うなら、ロフトの商品があるセブンに行こう」となり、集客につながります。
また、ダイソーやロフト側の立場としたら、コロナ禍で様々なことが不透明な中、これから店舗を構えていくことにはリスクが伴います。
いい立地の店舗を探すことも難しいので、自社製品をセブンイレブンの店舗内で販売してくれるのであれば、告知効果も含めてありがたい話です。