なぜ、小型店舗を出す小売業が増えているのか? セフォラに学ぶチャネルシフトの戦略

こんにちは!

売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。

今号の特集は、「なぜ、小型店舗を出す小売業が増えているのか?セフォラに学ぶチャネルシフトの戦略」です。

売り上げが上がらない、新規顧客が取れない、という売れない問題はついて周ります。

その時に、売り物を一から変えようとするのは、大きなリスクを伴います。

まず考えるのは、売り場所と売り方を買えること。

今号では、フランスの小売店「セフォラ」の、アメリカでの小型店舗出店戦略の事例から、学んでいきましょう。

それでは最後までじっくりと読んでください。

■目次

… 1.第1特集:マーケティング・ラボ

「なぜ、小型店舗を出す小売業が増えているのか?セフォラに学ぶチャネルシフトの戦略」

… 2.ビジネスコラム:

「接待達成する人は言葉の戦闘力にこだわる」紹介

… 3.著作・イベントのお知らせ

… 4.編集後記

第1特集

【なぜ、小型店舗を出す小売業が増えているのか?セフォラに学ぶチャネルシフトの戦略】

アメリカではコロナのワクチン接種の普及にともなって、ここのところ控えられていた、小売り店舗の出店が増えてきているようです。

なかでも、ショッピングモールの中に小型店を出す、という傾向が増えています。

やはり、大型店舗を出そうとすると、集客できるかどうかということが不確定であり、初期投資の金額も大きいため、回収までに時間がかります。

その意味でも、コストの負担が軽く、出店しやすく融通が効く、小型の店舗を出す小売業が増えているのです。

日経新聞によると、化粧品チェーンの「セフォラ」は、アメリカの百貨店大手「コールズ」と提携して、2023年までにコールズの全店舗の、7割にあたる850店に小型店を出店するとのことです。

セフォラは、化粧品や香水を扱うフランスの小売店で、1997年からルイビトンモエヘネシーグループ。

本国のフランスには、路面店を多く展開しています。

日本にも一時期あったのですが、撤退して今はありません。

アメリカには1998年に進出して、積極的にインターネット通販もやっています。

LVMHのホームページには、「トレンドの最先端でユニークな、ショッピング体験を提供します。世界中の美容ファンに、幅広い高級ブランドの香水や化粧品の中から、お気に入りのものを選ぶことができる」とあるように、セフォラは、多くの商品の中から、選ぶ楽しさとか、お試しができる、ということが特徴の小売店です。

やはり化粧品や香水は、試してから買いたいものです。

いくらインターネットが便利になったとしても、リアルに手にとって試す、ということはできません。

コロナで外出できなかったため、ファッションが好きな人たちは、新作のコスメや香水を試したいと思っていても、かないませんでした。

ワクチンがある程度普及した今、アメリカで外出ができるようになってきました。

今回のこのセフォラの小型店舗出店は、モールなどに行ってお試しができるようになる、

という市場の伸びをチャンスだ、と狙ってきたものでしょう。

消費者は欲しい商品をネットで探して、ある程度わかる場合はそのまま買います。

ただ、テレビや雑誌、口コミなどで新商品を知り、ネットで探した時に、お試しをすることはできないので、リアル店舗にいき実際に試着や試食をして、買う、ということになります。

このあと、もう一度買いたい、となった時にはリアル店舗に行ってもいいし、ネットでも買える、という形にしておけば、リピート買いにつながります。

インターネット通販が定着してきたことが背景にあり、リアル店舗とオンライン通販を融合させて、どちらでも買えるように集客力を高めていきたい、という狙いが見えます。

ネット専業の小売業だったアマゾンが、ホールフーズを買収したり、リアル店舗のアマゾンブックスを作ることで、ユーザーの「探し」「買い」「受け取る」という一連の買い物の流れを、つなぎ目のない“シームレス”にした、「チャネルシフト」と逆ですが、同じ考え方ですね。

やはり実際に商品に触ることができるリアル店舗は、その意味でも強いのですが、その際に、小型店舗でできる限り多くのユーザーに、接するという意味で「面をとっていく」、という戦略をセフォラはとっています。

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