こんにちは!
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「食品メーカーが価格の安さよりも、こだわるべきことは何か?〜湖池屋のJAPANプライドシリーズの事例」です。
競争が激しいので、価格での勝負になる、という売れない問題に対して、「どう売るのか」「何を仕掛けるのか」という手法に頼ってしまうことがあります。
まず、見直すべきは何か?ということについて、ポテトチップスの湖池屋の事例から、学んでいきましょう。
それでは最後までじっくりと読んでください。
■目次
… 1.第1特集:マーケティング・ラボ
「食品メーカーが価格の安さよりも、こだわるべきことは何か?〜湖池屋のJAPANプライドシリーズの事例」
… 2.ビジネスコラム:
「即買いされる技術」〜ビジネス書紹介
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【食品メーカーが価格の安さよりも、こだわるべきことは何か?〜湖池屋のJAPANプライドシリーズの事例】
ポテトチップスの湖池屋の業績が好調です。
2021年6月期の上半期は前年同期比で、売り上げが8.8%増えて、営業利益は約3倍にもなっています。
私は元々、ポテトチップスが好きでよく食べますが、湖池屋のちょっと小さめで、味にコクがある感じが特に好きです。
業界では、カルビーに続いて売り上げ2位ですが、ここ数年、明確な方針を打ち出しています。
それは、価格の安さで勝負するよりも、「美味しさ」で勝負しよう、というスローガンです。
確かにここのところ、湖池屋の新商品は、ユニークで面白いという印象があります。
少し前に「工場直送便」という商品が話題になりました。
読んで字のごとく、生産してから3日以内のポテトチップスを配送します、という商品です。
湖池屋のホームページによると、販売累計で300万食を超えたとあり、まさに大ヒット商品です。
サイトでの表現もユニークで、大きく「揚げたて!」とあり、見るからに美味しそうです。
限定数量での販売で、予定数が売り切れることもありますが、次の生産予定と出荷予定も、ホームページに明記されています。
そのホームページの説明も秀逸で、おすすめの食べ方が載っています。
まずは、そのまま食べてポテトの美味しさを感じ、次に付属している鰹節と焼き海苔をつけてください、とあります。
ポテトチップスにトッピングするというのが美味しそうで、思わず試したくなります。
ありそうでなかった発想です。
そして3つ目の食べ方として、「温めても美味しいですよ」とあります。
これも意外な食べ方です。
顧客は、ポテトチップスを買おうとする顧客に、食べ方を提供することで、自分の姿を想像させることができています。
これによって、価格の安さではないところで、顧客側に選ばれる、ということになります。