グーグルホーム年内発売へ:AI時代にどう備えるか?
米Googleの、音声AIを搭載した、AIスピーカー「したスマートスピーカ「Google Home」」が、日本国内でも、年内に発売されるとの発表があった。
Google Homeは、音声AI「Google Assistant」を搭載したスマートスピーカ。「OK Google」と話しかけるだけで、検索やマップ、翻訳などのサービスにアクセスできる。(CNet Japanより)
Google Assistantとは、ユーザーの行動パターンや嗜好を学習して、ユーザーごとに特化された情報を提供できる、ソフトウエアのようなもの。
iPhoneにも搭載されている、Appleの「Siri」や、Microsoftの「Cortana」なども同じカテゴリーに入る。
Google Homeは、最大6人の声を聞き分けることができる。
「ボクの今日の予定を教えて」といえば、ボクの声を。「妻に電話したい」と話しかけると、妻に電話を。「ボク」とか「妻」が、だれを指すのかをちゃんと認識して、対応してくれるとのこと。
ここまでは、スマホと似ているのだが、さらに面白いのは、「搭乗予定の飛行機が遅れています」など、こちらから聞かなくても、スピーカーの側から、必要な情報を伝えてくれる機能もついているとのこと。
AIスピーカーの特徴は、本体のみあれば、パソコンやスマホを立ち上げる必要が無いこと。
次世代のスマート・デバイス、といった感じだ。
AIスピーカーで、市場を先行しているのは、Amazon の「エコー」2014年に、米国で発売開始され、1100万台以上販売されているとの推計もある。
また、マイクロソフトも17年秋に新製品を導入する予定らしいし、アップルも市場導入を検討しているとのことだ。
ソニーなど日本のメーカーはというと、製品化を目指している企業はごくわずか。
3月にLINEが、AIプラットフォーム「Clova」を発表。アップと同時にAIスピーカーの、「WAVE(ウェーブ)」を秋までに発表するとのことだ。
【これからどうなるのか?何に備えるべきなのか?】
AIスピーカーを発売している、またはこれからする企業は、Amazon, Google, Microsoft, Apple, Lineと,並べてみると、それぞれ、小売業、サーチエンジン、ソフトウエア、アプリと、アップル以外はすべて「製造業」ではない。
ECサイトや検索エンジンといった、核になるIT系本業を持つ企業ばかり。
そして各社の特徴は、それぞれがプラットフォームを保有することだ。
これにより、AmazonやGoogleは、ユーザーそれぞれの行動を知ることにより、よりユーザーそれぞれに特化したサービスを展開することができる。
Amazon はレコメンデーション機能に反映でき、Googleは、検索結果や広告表示の精度を上げることに使えそうだ。
すなわち、より生活や行動に特化した、顧客データが収集できる。これが、プラットフォーム活用の次の姿なのだ。
中小企業はこの点を参考に、自社でもプラットフォームを構築すること、そして、その際に顧客の潜在ニーズを発見する仕組みを仕込むこと、顧客データを活用し、より質の高いサービスを展開すること、を目指すべきだろう。
その際に重要なことは、やりすぎないこと。ユーザーの個人情報の取り扱いを含めて、顧客の期待を超えることを目指すべきだが、顧客のプライバシーとの接点をしっかりと認識し、節度ある行動ができるよう、注意すべきだ。
■目次
… 1. 特集 「グーグルのホーム年内発売へ:AI時代にどう備えるか?」
… 2. コラム 「学生からの教授の評価」
… 3. 書評 「モノが少ないと快適に働ける」
… 4. ワンポイント時間術「プロダクトライフサイクルの頂点ちょっと手前が勝負の分かれ目」
… 5. 著書・イベントのお知らせ
… 6. 編集後記