【MBの"超"思考】職場と家の往復で良いのか?サードプレイスについて考える。



職場と家の往復で良いのか?サードプレイスについて考える。



「家と職場の往復だけじゃ、人生もったいないでしょう??」

先日とある会合で知人がこう話してくれた。旅行が好き、パーティーが好き、友達が好き・・・いわゆる「パリピ」であり根っからの趣味人である彼女は今、仕事をしながら「社会人サークル」を作って運営している。月に一度会員で集まり、BBQをしたりパーティーをしたり時に講師を招いて講義を受けたりあらゆる活動をしているサークル。「部活」をイメージするとしっくりくるかもしれない。会員は彼女の知り合いや友人などを中心に現在20名ほどいるらしい。会費は5000円+実費。講師を呼ぶ料金、マッチングや会場準備の手間などもあるがそれでも彼女は「お小遣いとしては十分な金額を得ている」そう。

「今サークルが本当に楽しくて。それで少しお小遣いも得ることが出来て。次何やろうって考えるのが楽しいよ。MBも来てよ!!」

「勧誘」や「営業」はどうしても切り出しにくいものだが、彼女はとても自然に私を誘ってくれた。負い目を感じる勧誘の代表はMLMや保険の営業などなど。そういったものは得てして「自分の利益になることだから、相手に悪い」という考えが働く。だからこそまともな神経を持った人間は「言い出しにくい」「勧誘しにくい」と考えるものだ。すると「実はさ・・・えーと、今私はこんなことをしてていて・・・助けると思って入って欲しいんだけど、どう??」といったような後ろ向きな勧誘や営業に終始する。しかし彼女は「来なよ!」「楽しいよ!」と屈託無く誘ってくる。これは彼女自身がサークルに価値を感じており、「絶対に楽しい」「5000円以上の価値が確実にある」と信じて疑わないから出来ることだ。いわば「善意で勧誘」している。こういった勧誘・営業に失敗は少ない。彼女をそうさせているほど「サークル」は魅力的なものなのだろうな、と思い私も一度見学に参加させてもらった。

話は逸れるが営業をやっている人はこれを是非参考にしてほしい。自分が魅力を確信していないと言葉に嘘が出る。勧誘や営業とは「相手にメリットがある」状態でなければ成立しにくい。だから結果を出すには「相手のメリットを確信する」まで自分の提供するサービスの本質を体感することが必要である。「うちの店の服より他のブランドの服が好き」と思っている洋服屋の店員さんは好成績を残しにくいもの。「嫌々やる」ことは結果には繋がらない。まず自分が確信できるレベルまで納得してから人に勧めるべきなのである。



メルマガの効能の一つは「コミュニティ」だった?

「社会人サークル」「趣味の会合」「会社と家以外のコミュニティ」このキーワードに惹かれる人は案外多いはずだ。実は私の次回作(書籍)のために、毎週配信している私のファッションメルマガの読者さん数名に取材をさせてもらい、その際「メルマガを知って良かったことは何か?」という問いかけを行った。(人選は作為的では意味があるのでメルマガ内で公募した)

すると取材した全員が「コミュニティが生まれた」ということをメルマガがもたらした効能の一つとして挙げてくれた。「女の子に褒められた」「おしゃれになり活動的になった」「前向きになれた」などは予想の範疇ではあったが、「コミュニティが生まれた」という答えは意外で驚いた。

「コミュニティ」と言ってももちろん色々な形式がある。取材したある人は私が運営するおしゃれを追求するサロンサービス「MBラボ」に入りそこで友達や仲間が出来、活動することが楽しいそうだ。またある人はおしゃれをして前向きになり外出する機会が増えた結果、「趣味の社会人サークル」に入ることが出来、職場と家だけでなく充実した生活が送れているそうだ。またある人はメルマガ読者同士でtwitterなどSNSで繋がり、購入した服を報告し合ったり、近所の人と時にリアルに買い物に行くこともしているそうだ。(オフ会みたいなものかな)

直接的であれ間接的であれ、皆「おしゃれ」を覚えたことで、職場と家以外のコミュニティが生まれて、そこで活動することを楽しんでいるという。またそれが「メルマガを購読したことのメリット」として挙げてくれている。

考えてみれば「男のおしゃれ」でコミュニティはなかったかもしれない。中学生高校生ならいざ知らず大人になれば多くの人は忙殺される中で「洋服」に対する熱が奪われて行く。また「おしゃれ」にも習熟度やジャンルがあり、例えば「革靴しか知らない靴マニア」と「デザイナーズブランド好き」が喋っても平行線にもなるだろう。ある程度同じ習熟度やジャンルで、また「メルマガ」という共通言語の中で、コミュニケーションができるというのは感覚的には「部活」に近いのかもしれない。

「大人になると家と職場の往復じゃないですか。でもこの年で、これ買ったよ、これいいよと報告しあえる友達が出来た。それがとても楽しくて。」と取材した読者さんは活き活きと語ってくれた。



「サードプレイス」の必要性

大量消費社会、高度経済成長期の中で、日本は「より裕福に」「より社会的な成長を」と求め続けて来た。給料や成績は毎年向上させるものであり、そのためには残業も休日出勤も厭わない姿勢で、皆身を粉にして働いて来た。

しかし近年、日本の成長性には限界が見え出している。日本の「一人当たりGDP」の水準は90年代から成長は見られない。凹凸はあるが水準はほぼ変わらない。70年代80年代の大躍進はもはや過去の話だ。これらは世界水準としても日本は20位以下。2016年度の経済成長ランキング(GDPの前年比で計測)では日本は155位。対象国190カ国中の155位と不名誉な結果となっている。経済成長は基本的には労働人口に依存する。世界でも類を見ない高齢化社会に直面する日本は今後労働人口の減少をどう考えて行くかが命題となるだろう。労働人口が減少してもなお経済成長を求めるのか、それともある程度諦めるのか。延びる寿命、減少する死亡率と出生率。世界が直面する「高齢化」の最先端である日本は、この問題をどのように解決していくのか。各国がモデルケースとして注目しているところでもある。

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