駅弁5 「琵琶湖の鮎氷魚ごはんと一夜干し/米原駅」

 氷魚(ひうお)とはアユの稚魚のこと。大きさは3~6センチほどで、イワシのしらすの大きいもの、と思えば良い。この駅弁は、琵琶湖産のアユの稚魚をメーンにした駅弁である。

 琵琶湖で釣り竿を振るう男性のをイラストをプリントした掛け紙を巻いている。釣り竿がしなっているのは、獲物がかかった瞬間か。

 フタを開けてすぐに目に飛び込むのはアユの開き。皮にこんがりと焦げ目がついて、食欲がそそられる。琵琶湖産の氷魚を、こだわりのエサと良質の地下水で育てた「近江鮎」を一夜干ししたもので、時間をかけて熟成した旨みを存分に感じることができる。

 一夜干しの下には、稚魚を混ぜた氷魚ご飯を敷き詰めている。ご飯に茶の葉を入れることで魚の生臭さを解消し、さらに清々しい香りまで加味したアイデアが見事だ。

 別のコーナーに集めたおかずは、だし巻き卵、小芋、赤コンニャク、枝豆、日野菜カブなど。郷土料理の赤コンニャクがうまい。

 ご飯の上に彩りよく散らされているのは日野菜カブのスライスで、辛味と苦みをほどよく含んだ味わいが全体の味覚を引き締めている。

 12~2月、6~8月の販売。滋賀県米原市の井筒屋が調製している。

1000円/井筒屋