落語は今日も生きている-COREDO落語会の名高座-
4、柳家権太楼「百年目」2018.3.24第13回COREDO落語会
桜が満開時に聴くにふさわしい名作である。この噺をはじめて聴いたのは、40年ほど前、三遊亭円生の高座だった。そのあと、桂小文枝(後の五代目桂文枝)、桂米朝の上方本来の「百年目」を聴いた。
円生の「百年目」に登場する大店の旦那は、風格はあったが底意地の良くない性格が見え隠れしていた。米朝の「百年目」は十八番だったが、そつのない旦那で格別な印象を残さなかった。素晴らしかったのは、小文枝の「百年目」。旦那の懐の深さ、番頭への思いやりの温かさ。申し分なかった。
柳家権太楼師匠に、この噺を春のCOREDO落語会の高座にかけていただくことをお願いしたとき伺ったら、小文枝師匠の「百年目」を手本にしたとのことだった。